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ミライデザインラボ

室長ブログ

宿題ってなんのためにやるんだろう。

学校の宿題って,時々,「目的見失ってないだろうか?」と心配になります。

漢字を覚えるためにやるのか,練習帳の1ページを消費するためにやるのか…みたいな。

宿題はやらなくてはいけないものなのか。

宿題はやらなくてはいけないもの,という固定観念に今すぐにでもパラダイムシフトを起こさせたい気持ちでいっぱいなのですが,まぁでも宿題をやるかやらないかは本人の自由なので,必要ならやっていけばいいのかなぁとも思うのです。

言われたとおりにやらずに叱られるも良し,言われたとおりにやって評価してもらうも良し。

ただ期限までにやらなくてはいけないから,コタエ丸写しにして提出する,ってやっぱりどうなんだろうかと思わずには居られないというか。もうそれならやっていかない方がWin-Winだと思うのですよ。

コタエ丸写しにしても,そのあとどうしてこんなコタエになっているんだろう?とか,解法を読みながらなるほどこうやってやればいいのか,としっかりフォローすれば良いのだけれど,宿題を終えることが目的化していると,丸写しで終了!となってしまうので,これだと意味ないじゃんと思ってしまうのです。

この場合
真に問題なのは,やっていくことで評価があがり,やっていかないことで評価が下がる。
過程に焦点はなかなかあたらず,結果に焦点があたってしまうところです。

一生懸命にやったのだけれど,時間が足らなくて7割しかできませんでした。
いろいろ調べたり,考えたり,友だちに聞いたりしてなんとかがんばったんです。
でも7割しかできなかったので,ごめんなさい。提出できないんです。ここまででいったん出します。

という場合と

え。これ明日までだっけ?やっべ。1ページもやってねぇ。
どうしよ。よし,コタエ丸写しだ。ほーらいっちょあがり。

という場合では,前者の方が本来の目的達成率ははるかに高いと思うのですが,今のシステムでは評価されません。

なにをどう評価するようにしたら,いちばん最適なのでしょうか。

どう評価するのがいいのか。

たとえば過程を重視して「効果性の高さ」を評価基軸にするためには,過程が見えるような形にしなくては先生方も評価できません。というか,そもそもどれだけ学習効果があがっているのか?を客観的に評価するのはものすごく難しいことは想像に難くありません。

いやまぁそういうこと考えるのはもうめんどくさいから,いっそのこと宿題ナシにして,自主性をもって学習にのぞんでもらったらよいのではないかと思うのです。自主性をもってやらないと決めた子どもたちは,学習効果が下がるのかもしれませんが,まぁそれも本人の責任です。

―しかし,宿題が学力向上にストレートに効果があるかどうかは実はよくわかっていません。宿題に関する研究論文もたくさん出ていて,そんなたいした効果ないよと言っているものもたくさんあります。というか,国によっては宿題ってなに?んまいの?みたいなところもありますが,それらの国の子どもたちが一方的に学力が低いかというともちろんそんなことはありません―

ところが,新しい学習指導要領は,試験の結果(知識の量)だけを評価にすることをやめ,思考能力や表現力といった新しい学力を評価に含めよう!という趣旨でできています。

したがって,わかりやすい試験の得点のみを評価にすることができないので,前述のめんどくさいから考えるのやめようとおもった問題を放置することもできません。

さらに,なんでも可視化され,ブラックボックスにすることを許されない昨今の教育事情に鑑みれば,できる限り客観的に,そしてフェアに評価方法を決めたいところです。

たとえば複数の視点から評価をするのなら,アクティブラーニングとも相性が良いルーブリック的な評価方法を採用したい!そんなふうに考えることは自然でしょう。

宿題やったかどうか。採点までちゃんとやってるかどうか。試験の得点はどうか。文章書かせる問題を出してみてはどうか。授業中の発言内容はどうか。などなどをそれぞれの項目ごとにランク付けして,総合的に得点化してみたらいいじゃん!

絶対評価って便利!
全員基準をクリアできたなら,全員A+にしちゃえばいいんだから!
わかりやすいし,対外的に説明しやすい!

八方塞がり!宿題の行く末。

しかし,今度は評価基準がわかりやすくなる反面,基準項目をクリアするかどうかに焦点があたります。つまり基準項目をクリアすればCはBになり,BはAになるのですから,「宿題を出す」という項目がもしあるのなら,出せばCはBになって,BはAになるのです。じゃぁ,コタエ丸写しして出す作戦は実はないけれど,評価は得られる!

漢字は覚えても,練習帳を1ページ埋めなくては評価されない。
その代わり,漢字を覚えていなくても,練習帳の1ページを埋めれば評価される!

勝負には負けるけれど,試合には勝てる!!

というじゃぁもうどうしたらいいんだよ問題を回避することが難しいことは想像に難くないのですが,まぁやっぱり結論として,僕はそれならいっそ宿題による評価をナシにしてしまってはどうかなーと思うのです。宿題を課すことをやめてしまってもかまいません。

そうするとつまるところ,試験の点数みたいなわかりやすいところに評価の軸は落とされます。
中学校で言うなら学期ごと2回の定期試験で評価を決めます。出席点や提出物などは一切考慮しません。

どうですか!
いかがですか。

……。
うーん…ダメですね。そんな簡単なら先生方もきっとそうしてるに違いないですしね。
昭和に逆戻りですよ(だからダメというわけではないけれど)。

ちなみに文部科学省は単位の実質をものすごく気にしていて,彼らは「学習時間」が重要な要素というふうに考えています。試験の結果もさることながら,それだけ高くても学習時間が伴わないものは「学び,修得した」と考えないのです。

これはまぁ何をもって「学習」と考えるか?という話なので,どこに焦点を置くかによっていろんな考え方があってしかるべきで,絶対的な指標を定めることが難しいことはわかります。

はぁ。でも,やっぱり
宿題は何を目的にしているのか?を見失っていると僕は心配でなりません。
子どもたちと話していると,やってけばいいんでしょ?みたいなことを平気でいいます。
それどころか,ノートに隙間なく,英単語を埋めてこないとOKにならない宿題だって出ているのだそうです。ノートを埋めるのが目的じゃないですかそれはもう。

ノートもったいないから?

せっかく使っても学習効果があがらないことほど,ノートが嘆き悲しむことはないですよ?

で,結論。

宿題どうせやるんなら
頭をフル回転させて,一生懸命考えて,やってみましょう。
自分で調べたり,誰かに聞いてみたりしてもいいんだよ。
それでもわからなかったら,わかるところまでやっていって学校の先生に相談しよう。

せめて僕ができる抵抗は,宿題がその想いを成就できるように,フォローすることだけです。効果的な宿題とその目的を見失わないために,できる限りのことをしていくほかないですね。

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