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ミライデザインラボ

室長ブログ

ほめてもいけない,しかってもいけない。

先日受けたご相談の中でこんな話がありました。

アドラー心理学では,褒めてもいけないし,叱ってもいけない,とされています。具体的にはどのように対処するのがよいでしょうか?

アドラー心理学では確かにこのような考え方をします。
同様に,僕もこれに準じた考え方を持っていて,大枠では「賞罰」というのは表裏ではありますが,しかし元をたどればいずれも同じことだろうと思っているので,このような相談に対しては,どちらの方法も適切ではないと答えています。

賞罰 ―すなわち褒めることと叱ること― は,”得たい”と思うか,”回避したい”と思うかの違いはありますが,(1)本来の目的として適切ではなく,歪んだ目的であること(2)いずれもエスカレートしていくものであること,から子どもたちにとって本当に必要なものを満たす行為ではなく,親の行動として適切でないと考えています。

しかし他方で,これを曲解してはいけないんだけれどなぁ,と心配してもいます。

僕自身そうだったのですが
ほめてもダメ,叱ってもダメ,じゃぁどうするの?
無視するの?スルーするの?それとも「ああそうなんだ」ぐらいで特別な反応しないことなの?
と考えてしまいがちだからです。

あるいは逆にアドラー心理学のストイックな理屈に感銘を受けて,よしじゃぁ褒めるのもやめよう!叱るのもやめよう!とそのまま実行してしまうこともあります。放置というか放任というか,野放しにしてしまうパターンです。

でも野放しはやっぱり最悪です。
親が見守ってくれていることは,何より重要ですし,誰にも関心を持ってもらえないと感じてしまうようなコミュニティで健全に成長することはできないでしょう。

具体的な対応を考えてみた。

子どもがテストで百点とってきて,うれしそうに「みてみてみて!」なんて言いながら答案用紙を僕たちの目の前でヒラヒラさせてきたらどうするの?

疲れたなーなんて言いながら食器を洗っていたら,子どもたちが食べ終わった後の食器をシンクまでもって来てくれた!そんなときぐらい偉いねー!って言ってもいんじゃね?

そうですよね。
アドラー心理学ってなんだか難しいんですよね。ホントに。
でもラボの親と子のコーチングではもうすこし柔らかく考えてもらってOKです。

子育てに正解なしですから,あんまりキツキツにして,自由を自分で手放してしまってはいけません。親も子も,みんなで少しずつ勉強して,みんなで少しずつ関係を構築していけば良いのです。

なので,上記のいろいろについても正直,ケースバイケースです!
身も蓋もない言い方で申し訳ないのですが,失敗を重ねてもらえばよいと思います。

とは言え,それで終わってしまうと相談受けた僕としては座りがわるいので,もう少しだけお話をしてみたいと思います。

絶対にほめてはいけないというわけではなく,同じケースでもお子さんによっては褒めたり叱ったりしたほうが勇気づけになることもありますから,お子さんの反応を見ながら,ちゃんと伝わっているかどうか,お子さんが考えたり,感じたりしている余裕がもてているかどうか,そういうことをしっかり観ながらコーチングしていきましょう。

さて,具体にはどうするか。
純粋に子どもたちを褒めることはあるでしょう。
ほめるという行為に上下関係(縦の関係)ができなければ,ほめたって構わないと僕は思います。

たとえば職場の上司が立派な文書を作成したとして,「え,○○さん,すごい上手な文章作成したね。えらいねー。」と言うでしょうか。

たとえば靴紐を結べたからといって,夫や妻を褒め称えるでしょうか。

ほめるという行為は,そもそも縦の関係を持っています。
できる者ができない者に対して,ウエからシタへ向かってされる行為が褒めるという行為です。

一方で,子どもを相手にしたとて本当に感嘆することはあるでしょう。
自分の想像を超えた(過去の自分に照らし,はるかにそれを凌駕する)結果を出したときもそうでしょうし,(大人である今の)自分よりもずっと効果の高いことをしたなんてのを目の当たりにすれば,我が子ながら感服することもあるでしょう。

それがすなわち「横の関係」で注がれる尊敬を含んだものであれば,ほめてもOKじゃないでしょうか(しかしまぁこの場合,褒めるというよりももっとチガウ表現になりそうですが)。

アドラー心理学ではこの「縦の関係」と「横の関係」がよく話題になります。
縦の関係では,勇気をくじくことにつながることが多く,適切な勇気づけを相互に行うことができる対等な関係,すなわち「横の関係」を築くことが非常に重要だからです。

さぁそして
具体的に褒めるでもなく,しかるでもない反応として大きく4つあげてみましょう。

1.感謝を伝える

感謝を伝えることはわかりやすいうえにやりやすいですね。
ありがとう。助かったよ。君が来てくれてよかった。
君はなくてはならない存在だよ。

そんなふうに声をかけることで十分な勇気づけになるでしょう。

2.喜びを伝える

あなた自身がうれしいこと,楽しいこと,よかったと思ったことはそのまま伝えてあげて下さい。テストで良い点とったらうれしくって褒めてもらいたいものです。
そのとき,親として感じたことは「偉いなー,おまえスゴイなー。」ではなくて
「あなたががんばったことに敬意を持ちます」「あなががんばってくれてわたしはうれしいです!」ではないでしょうか。

「そっかー。がんばってたもんね。」「うれしそうだね!満足なんだね。」
なんて声をかけてあげてください。

結果でなくて,過程に目を向けて下さい。
テストの点数でよくあるのは減点方式で,しかるでもなく,褒めるでもなく,「注意する」とか「冷静に話をする」なら良いだろうと考えて,「何ができなかったのか考えてごらん?」とか「どこができなくて90点になったんだろう」とか,いかにもコーチングぽくするのも最初の反応としてはいかがなものかと思います。

本人ががんばったと言っているのなら,それを他の誰かが「おまえならもっとできるはずだ」とか「これぐらいで喜んでいるようじゃまだまだだ」なんて無粋です。


3.承認する

承認する,というのはコーチングスキルとして重要なスキルです。言葉がなんとなく仰々しいので勘違いしないで欲しいところですが,あなたのしたことを認めます!許可!!とそういうカンジではないです。

あなたの行動,感じたこと,考えたこと,価値観,などを事実そのままに認めるということです。ああそうしたんだね,そう考えたんだねなるほど,そんな風に感じるんだ,へぇ。それでOKです。

ただし,ノージャッジです。自分の評価をはさまずにただ事実を認めてあげてください。

そもそも感じたことや,価値観を他の誰かが否定することはできませんし,他の誰かが評価したところで,それは他の誰かの価値観に基づくもの,すなわち主観に過ぎません。
もちろん完全に主観を排除することはできないので,100%純粋な事実だけというわけにはいきませんが,まぁ可能な限り事実を事実として認めてあげてください。

「なるほどねー」「ああうまくいったんだね。」「うれしそうだね。」「難しかったなーって思ったんだね」「思ったよりできなくって悔しいんだね。」

そんなふうに声をかけてあげればOKです。ここに親の主観をはさんだり,アドバイスを入れてはいけません。「もっとこうしたらいいよ」とか「そこは,そうじゃないよ」とか言えばかならず対立構造に発展します。それは縦の関係だからです。

4.ポジティブな想い,長所について話す

これはまた,常にそう在りたいと思うことなのですが,結果に目を向けるだけでなく,それに至る過程でポジティブな気持ちを伝えることや,お子さんの長所について伝えること,そう在ってくれてうれしいという気持ちを伝えてあげて下さい。

うれしい,楽しい,大好き。

と昔の偉いひとは謳ったものです。

それぐらいポジティブな気持ちは伝染します。僕がうれしいなら,あなたもうれしいのです。あなたがうれしいなら,僕はここに居て良かったと思えるのです。
お子さんが「自分は家族のために役に立つことができるんだ」と自分で思うことができるように,良いことは伝えてあげてください。それが大げさになったり,お世辞になったり,とってつけたような褒め言葉であったりすれば,ヒャクパーお子さんは見抜きます。だからこそ褒めるのもダメだと言っているのです。

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