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ミライデザインラボ

室長ブログ

塾選びに迷う 小学生 中学生 高校生 のための「正しい 学習塾 の選び方」を考えてみた。

学習塾の選び方

みなさんこんにちは。ミライデザインラボ安城 室長です。
今日は僭越ながら「正しい 学習塾 の選び方」を考えてみようと思います。

ただ考えてみるだけだと,この分野ですでに先行したWEBSITEがたくさん考えてくださっていると思うので,今回はとりわけ学習塾を創ったときの視点でもって書いてみようと思います。

塾長,とりわけ 学習塾 を創設する者の情熱。

僕が学習塾を起こすにあたって,まずは大手と呼ばれる学習塾のフランチャイズの営業さんとお会いしてお話する機会をいただきました。

また,学習塾FC ではなく完全に個人経営の学習塾さんにも塾長さんのご厚意に甘える形で,何件かお邪魔してお話をお伺いすることができました。

創設者として学習塾をみると,
塾選びをする第1のポイントは「創業者の想い」があげられます。

フランチャイズを選ぶにしても,ゼロから作り上げるにしても,共通して言えることは

学習塾はすでにビジネスモデルとして確立されており,かつ設置する条件,参入ハードルが低いために,参入者が多いカテゴリでありますが,しかし「教育」というある種の使命感に下支えされている分野であるために,とりわけ塾長さん個人の熱意,パッションがその成否を左右する超絶大きなファクターである,ということです。

ただビジネスという概念だけで学習塾を起こせば,これは無機質な学習塾ができあがることは容易に想像ができます。実際,ビジネスモデルと参入のしやすさから学習塾を起こした経営者の方もいるでしょう。

でもそれだけでは教育の一端を担う者として,どうだろうか?という印象はやはり受けてしまいますね。

少なくとも僕が会った塾長さんの中には,フランチャイズだろうが,そうでなかろうが,そういうひとはひとりもいませんでした。
そしていずれの学習塾でも子どもたちの笑顔がとても印象的でした。

まぁそんなわかりやすい話でなくとも,創業者の想いは塾の方向性に多大な影響を与えるので,できれば塾を選ぶとき,その創業者の想いには触れたほうがよいかなと思います。

学習塾 の形態の違いをどう考えるのか。

第2に,塾のスタイルを検討してみましょう。
ここでは学習塾の形態をおおまかに考えてみます。
学習塾のスタイルは多岐にわたり,これらを複数にまたぐ要素もありますので,それぞれの特徴を理解したうえで,自分にあったカタチを選ぶのがよいでしょう。

設置者の視点では,自身の理念を達成できる形式を選ぶことになります。
また,予算やランニングコストのことを考えざるを得ないので,逆に言えばユーザーが学習塾を選ぶ際には”かかるコストが優先順位の高い要因となっていないかどうか”が重要になるかもしれません。

つまり,低コスト高リターンを最優先されていないか?達成したい目的がコスト高を避けるために妥協されたものになっていないか?という視点です。

通う立場である生徒からみればスタイルと授業料のバランス理念とスタイルとの親和性はチェックすべき要因と考えてよいのではないでしょうか。

1.集団学習

旧来からのスタンダードなスタイルです。
集団で授業を行う,いわゆるスクール形式,学校の授業と同様のスタイルがこれにあたります。

たくさんの生徒を一度に教えることができるので,コストがかからず授業料を安価に抑えることができます。

授業なので,先生は教える技術を備えている必要があります。
教え方が上手い先生がいれば,それだけで大きなプラス要因となりますね。

一律に同じ内容の授業を行うので,生徒の学年はそろえる必要がありそうです。
また,生徒の理解進度,深度によって授業の内容と速度が左右されてしまうので,デキる子が多くなればそうでない子たちは置いて行かれてしまい,理解度の低い生徒が多くなれば,逆に理解度の高い子たちは退屈な時間を多く過ごすことになるでしょう。

塾のスタンスによっては,理解度の高い生徒と低い生徒が二極化しやすくなります。
ついてこれないひとに合わせるのか,そうでないのかは,その塾の教育方針によりますから,塾との相性を間違えると最悪ですね。

また,クラス単位で行われる授業では,クラスという集合そのものが持つ力があり,良くも悪くも一部の力が全体に対して波及するような効果があります。

たとえばクラスの中に不安要素―ここでは特定の生徒たちの能力的あるいは人格的資質の問題だけでなく,目に見えない空気のように意図的に修正することが難しいものも含んでいます―がある場合,クラス全体の学習効果が下がりやすくなります。
先生のエネルギーが不安要素への対応に費やされてしまえば,たちまち学習効率は下がり,最悪の場合授業として成立しなくなってしまいます。

反面,良い方向に流れれば相乗効果があがるというプラス側面ももちろんあるので,このあたりは見極めが非常に難しいと言えるでしょう。

2.個別指導

学習塾において「個別」という言葉はいろんな意味が込められているので,塾選びの際は気を付けてください。

先生ひとりに対して生徒ひとり,いわゆるマンツーマン指導という意味で「個別指導」と言っているケースから,全体をひとりの先生が観ますが,生徒はひとりひとり違う学年で違う進度で,違う内容で,違うカリキュラムで行っていますよ,という意味の「個別指導」,あるいは自立型教材を用いてそれぞれ別々の学習をしていながら,わからないところや困ったところがあれば先生が助けますよ,という「個別指導」もあります。

勘違いして入塾してしまうと「あれーなんかおかしいなー」となってしまうので,入塾前に「個別指導」の意味をきちんと確認しておくとよいでしょう。

個人的にはマンツーマン指導のところは,「個別」は差別化しにくい言葉なので,「マンツーマン指導」と書いたらわかりやすくていいのになーと思いますが…(たぶん最初はマンツーマンという意味だったのが,「手厚そう」という良いイメージをなんとなく作りたくてマンツーマンでない塾も「個別」にいろいろやってますよという意味で「個別指導」を使い始めたのかなーと思っています。これ自体には特に感想はないのですが,もしも僕がマンツーマン指導の塾を創るとしたら,ここは圧倒的な強みなのでもっと差別化できるような言葉に変えます。)

なので,個別指導ということの意義をしっかりと確認して欲しいと思います。

2.1対1~1対2授業

先生ひとりに対して生徒ひとり。あるいは生徒ふたりの授業形態です。
マンツーマンでの授業は,ご想像どおりに「手厚く」「手取り足取り」で指導できますから,生徒の理解度合に完全にあわせて進めていくことができます。

ちなみに一度に対応する生徒がふたりまでは,その効果に大きな差はないと言われています。
(なのでここでも1対1と1対2は同一カテゴリと考えています。)

1対1ならもちろんつきっきりですし,1対2であれば,一方に解説し,演習をさせているあいだに,もう一方の生徒に説明する。
1対1の方が圧倒的にコストがかかりますから,1対2よりも授業料は自ずとあがるでしょう。

また,マンツーマンは手厚い指導ができることが大きな強みですが,この手厚さが問題となることもあります。先生と生徒の距離が近づきすぎることで,ケジメがつかなくなってしまったり,授業に必要な緊張感がなくなってしまうことがあります。

あるいは,手取り足取りの指導は,先生といっしょに丁寧に学習しているあいだは,難しかった問題も解け,あたかも理解し,できるようになったと勘違いしがちで,先生がいないときに同じ問題を解こうとしても,実はまったく地力がついておらず,全然わからない,なんてことになったりします。

マンツーマンであるがゆえに,必要な支援以上の「援助」を受けてしまうことが多いためです。

自立して学習を進められる生徒にとってはあまり有用でなく,学校の授業におくれがちな生徒にとっては必要な支援を必要なときにもらえるので非常に有効である反面,自立して学習を進められる生徒にとっては過剰な指導かもしれません。

もしくは優秀な講師による難関中学や難関高校,大学などの受験のためのハードな学習にはよいかもしれませんね。

3.1対複数名授業

先生がひとりに対して,生徒が3人~15人ぐらいの授業を行う学習塾です。

多くの場合,自立式の教材を何かしら準備していると思います。

一般的なテキストを用いて,バラバラ学年や成績層の生徒たちを複数同時に受け持つことは,講師の技術が必要なので,ある程度AI教材や映像教材などをつかって自立的に学習をすすめなくては成り立たないからです。

もちろん学年や成績層をそろえて少人数を相手に行うのであれば,集団授業のような特徴をもち,かつ集団授業よりも全体に対するケアが可能なので,授業料を抑えつつ,生徒一人ひとりへの対応も柔軟に必要十分に行うことができると思います。

マンツーマンと集団授業の中間のようなイメージでしょうか。

4.オンライン

オンラインの授業の最大のメリットは,何といっても「物理的な距離をゼロ化できる」ということに尽きます。また,コロナ禍では人流の抑制,三密の回避にも有効に働き,感染症拡大防止の方策として一気に社会に広まった感があります。

一方でその効果は対面式と比較してどうかというと,オンライン方式で行っている学習塾さんにうかがった話や実際に授業を受けた生徒たちへのアンケート結果などをみていると,「イマイチ」と感じているひとが多いようです。

ただ,「イマイチ」と感じる要素はひとそれぞれ異なるところではありますが,その内容を精査してみるとどうやらハッキリと効果があがらないと断言するほどの根拠はなさそうです。対面式との違いは場の空気や熱を共有しないことの違和感や協同感といった言わば感覚的なものによるところが大きそうなのです。

5.自立型学習

自立型学習は,もっとも歴史が浅いものかもしれません。
AIを搭載した自動教務を提供する教材を用いて,生徒それぞれのカリキュラムにそって学習を自立的に進めます。わからないところを先生に教えてもらいながら基本的には自身で問題を解決することになりますので,説明を読んで理解できるか,解答を読んで誤りを修正できるレベルの生徒にはちょうど良いでしょう。

一方で,理解度の浅い生徒,読解力の低い生徒にとってはよくわからないまま進めることができてしまう点で問題があります。AI教材の中には,間違えたところをAIが自動判断し,必要な単元まで自動的に戻って復習させるAIもありますので,教材のアップデートは欠かせません。

独立して学習をすすめること,CPを相手に学習をするので無機質な感じと孤独感があるかもしれないですね。

生徒ひとりで解説を観て,聞いて,考えて,理解する。演習を行って定着させる,という学習工程のすべてを「生徒の進度にあわせて個別にすすめられる」という点で優れていると思います。

6.家庭教師

家庭教師はもはや学習塾の枠組みとは異なりますが,でもやっぱりマンツーマンでなおかつ自宅まで足を運んでもらえる!という,至れり尽くせりなサービス。

学習支援の究極系と言っても過言ではありません(あれ。過言かな?)

メリットはここで書かずともイメージしていただければおそらくそのままでしょう。

なにしろ,親からみれば手間いらずで,これ以上ないほどの手厚いフォローです。

また,自宅に来てもらえるということは,ほかのひとの眼を気にする必要がなくなります。子どもたちの中には,自分の成績が悪いことを恥ずかしいことだと思っていたり,教えられていたりする子どもたちが一定数います。ある種の劣等感を感じている子どもたちもいます。

家庭教師というシステムはこれらの子どもたちに対して非常に有効なシステムだと思います。

しかし一方で,そのデメリットはやはりマンツーマンと同様です。
教師との距離が近づけば近づくほど,授業としてのクオリティは下がります。

相応の距離感をもって,効果があがる授業をきちんとしてくれる家庭教師にあたれば最強ですが,特段の訓練を受けた教師でなければ,そういった配慮はなかなか難しいでしょう。

また周りに級友がいない状況下では,競争原理が働きにくく,協同原理も働きません。
自分との約束が苦手な子どもたちにとっては容易に手を抜く要因となりえてしまうことにもなります。

そしてなんといっても家庭教師は高額です。学習塾の授業料に比べれば圧倒的に高額になります。
コストメリットを出すためには,効果の高い授業は必須なのです。

7.学習場所の提供

単純に学習場所だけを提供している学習塾もありますから,とりわけ高校生ともなればすでに自学自習の方法を体得しており,自身でどんどん学習をすすめていける生徒にとっては指示や提案はわずらわしいものですから,場所と材料だけ提供してもらえるのがいちばん有用であることも少なくありません。

夏休みともなれば図書館の座席が取り合いになるようですから,静かで涼しく,ひとりで集中できる環境はもってこいなのです。

もしかしたらそれだけのためにお金を払うことに抵抗があるかもしれませんが,一度お子さんと相談してみてください。案外,このように学習場所だけを確保したいと思っているケースは多いのです。

学習場所の提供
静かに集中できる場所。

いかがでしょうか。
いくつか学習形態をまとめてみましたが,おおよそこんなところでしょうか。
みなさんが視野に入れている学習塾はこのうちのどれがあてはまりますか。

その特徴を理解して,塾選びをしてみると良いと思います。

うちのラボは,これらの分類でいくと
自立型で複数名授業で,マンツーマンということになりましょうか。

具体に言うと,コーチと1on1ミーティングをしつつ,複数名授業を経由して,自立型を目指します。

本音を言えば,自立型学習が完成して,完全にジリツ学習ができるようになってしまえば,当ラボは卒業ということになり,すべての生徒は卒業を目指して訓練することになります。
したがって最終的目標はこの分類で言えば「学習場所の提供」か「卒業」のいずれかとなります。

「学習場所の提供」はいつか僕が目指すところでもあるので,ラボの規模が大きくなって,運営ができるキャパシティを身に付けたら,もっと安価にいつ来ても場所が確保されているような仕組みを作りたいと思っています。

マンツーマン→複数名→自立型→ジリツ学習

という流れをつくることができれば,学習も進み,必要なところに必要なコストをかけられるようになり,ひいては授業料を下げることができて,かつ生徒の状態によって適切な分量のエネルギーをかけることができることになって,みんなWIN-WINという最強メソッドができあがります!…の予定です。

学習塾への問い合わせ。
疑問に感じたことは学習塾へ問い合わせてみましょう。

ただし,高リターンを求めている業務形態が悪いかというと,そういうことではありません。

授業料が高額でも,生徒が求めるものが提供されるならそこがいちばんよいことになります。
成績あげたいのに,成績があがらない,でも授業料は高い!となるといろいろ問題がありますが,授業料は高いけど,成績があがるんなら問題なし!であれば,高リターンを求めていても大丈夫です(あたりまえか)。

学習塾 をどう使うか。 学習塾 とはなにか。

これはつまり,学習塾に何を期待するか。ということにほかなりません。

しかしおそらく学習塾を選ぼうとするとき,ある程度は決まっている項目でもあります。ここであげたもの以外を求めている方もいらっしゃると思いますが,一般論としてまとめさせてもらいました。

また,これらのうちのいずれかを選ぶというよりは,いくつかをまたいで(あるいはすべて)期待するということもあるでしょう。ここで大事なのは塾に何を期待しているか?を自覚することです。これは認知の範囲を拡げることでもありますし,単純に効果測定を容易にすることができるメリットを持ちます。

結果としてその塾に通う意義を鮮明にするものです。
あらかじめ掲げたこの意義を,ある一定の期間を経たのち,達成できているかを確認することで継続してその学習塾に通うべきかどうかを判断する材料になります。

これが三つ目の検討ポイントとなります。

1.高校や大学の受験対策

受験対策として学習塾を用いるとき,その意義はきわめて明確になります。
ある希望校の入学試験にいかにして合格するか。というただ一点を目指すわけですから。

結果が出た時点では,その塾に通ってよかったのか悪かったのかは,もう手遅れ感がありますが,受験対策用の学習塾(予備校的な?)であれば,希望校のためのそれに特化した学習法をすすめているはずです。

難関校対策は,一般的な学習ではできないので,それに特化しなくてはなりませんから,そのような学習を提供してくれるかどうかを確認しましょう。

公立高校や,センター試験レベルをターゲットにしている学習塾であれば,特別な受験対策ではないので,あまり気にする必要はないかもしれません。

希望校合格しないのなら学習塾へ行く必要がないと考えている場合は,学習補完塾とあえて謳うところや,受験対策カリキュラムは用意しませんと宣言する,うちのような特殊なところに間違って入らないように気を付けましょう。

2.学校の成績アップ

学校の成績,すなわち中高生においては定期試験,定期考査の結果にほかなりません。
小中学生向けの学習補完塾では,基本的に学習時間と成績は比例関係にあると言ってよいでしょう。奇問難問をクリアしていくようなカリキュラムを用意していない限り,時間をこなした分だけ,成績はあがります。

勉強してなかった子が多少なりともするのですから成績はあがります。

ただし,勉強すれば,です。

したがって,塾へ通うだけではいけません。
塾へ通って,勉強しなくてはこの目的は達せられません。

すなわち,これを目的とするのであれば,きちんと学習時間を確保してくれる学習塾を探さなくてはいけません。

昨今では,得点アップ保証や50点が80点にあがった!というような謳い文句の学習塾が多く見られますが,その内容をきちんと精査すると,その学習塾のスタンスが見えてくると思います。

どのようなテストで,どのような配点で,どのような状態の50点が,どのような学習の効果として,どのようなテストの,どのような配点の,どのような状態での得点が80点となったのかをしっかりと確認してください。

得点があがった原因が,学習塾のどんな学習にあったのかをきちんと説明してもらってください。

3.学習習慣の定着

家では付きにくい学習習慣。
これをほとんど強制的に定期的に塾へ通うことで定着をはかります。

週に何回か,同じ時間に必ず塾へ通うという習慣は,学習という側面から見ればプラスに働くでしょう。そのまま学習習慣が継続すれば,それは将来に向けて大きな力になるでしょう。

この場合,できれば毎日,それに近い日にちを学習塾に通う方が効果的です。

新しい習慣の定着,とりわけ「やりたくない勉強の習慣を付ける」ことは脳科学的にも非常に困難ですから,もしも強制性をもってこれを達成するとなれば,毎日通うほうが合理的です。毎日通って,通うのが当たり前になるまで通い続けるのが理想ということになります。

したがって,これを目的とするのであれば,できるだけたくさん通えるシステムが好ましいでしょう。

4.真の学力の醸成

文部科学省が教育改革をすすめる中,中央教育審議会は「生きる力」の醸成,学力の定義を刷新し,真の学力として示しました。

これまでの知識と技能,つまりインプット主体だった学校教育を大きく変え,知識と技能,そして思考力,判断力,表現力,さらには自ら学ぶ意欲,主体性を育むための教育に転換していこうとしているのです。

ミライデザインラボが掲げる理念はこのあたりに大いに合致するところですが,まぁこれまではいかに崇高な理念を掲げても正直,学歴偏重に学習塾ニーズは固まっていたので,そこに利用者が集まることはなかなかなかったのです。

少しずつ社会が変わりつつある,ということかもしれません。

学習塾の授業料を考える。

最後に授業料とのバランスを考えてみましょう。

学習塾の授業料の正体は,結局のところ人件費です。

先生の時間をとればとるほど人件費はあがりますから,先生の支援を手厚く受ければ受けるほど授業料もあがるのが道理です。授業料を考えるにあたっては,どれだけの支援を受けたいのかと予算のバランスをとることになりますが,予算ベースで考えてしまって,必要な支援を受けられないサービスを選ぶことだけはぜったいに避けた方がよいと思います。

必要とする支援が受けられなければ,いくら安くても本末転倒です。
それならば学習塾には行かずに,家庭で自学自習するほうがずっと良いでしょう。

したがって,単純に月額の額面だけで高い安いを判断せず,ここはぜひともその内容を重視し,そのうえでどこがいちばんお得か?を考えてください。

だとすれば比較ポイントは「時間当たりの単価」です。

60分月週2回=月8コマ=480分(8時間)で2万円=2,500円/h
90分週2回=月8コマ=720分(12時間)で2万5千円=2,083円/h
120分週3回=月12コマ=1440分(24時間)で4万8千円=2,000円/h

授業料の見せ方は本当に重要です。

実質かかる授業料をしっかりと確認してください。

また,年間とおしての授業料も必ず確認しましょう。

通常の授業料だけを見比べてしまうと大きな落とし穴に落ちます。夏期講習や冬期講習にかかる費用はなかなかヘビーな額だそうなので,あらかじめどのようなメカニズムで,どのように計算されるのか。平均的な生徒でどれぐらいの費用がかかるのか聞いておくとよいかもしれないですね。

保護者面談の際に,お子さんの苦手単元をデータ化され,それを見せられながら夏期講座での補強を提案されてしまうと,できていない事実を放置することはなかなか難しい心境になりますし,子どものためとがんばってしまうのは親のサガですから(僕にもよくわかります)。

思わず予算を超えて「やります!」と言ってしまうかもしれません。
そうするとせっかく月額の授業料を抑えていても,結局,年額ではものすごい高額になってしまうこともしばしばです。

ここで少しゆっくりと計算していただきたいのですが,

以下は文部科学省の調査から抜粋したものです。

平成30年度子供の学習費調査から抜粋

中学生でも高校生でも,40万円以上の層が最もあつくなっています。
授業料の月額だけでみれば,週2回月8コマの学習塾では2万円から2万5千円ぐらいが平均的です。

でも月額2万円では,12か月通っても24万円にしかなりません。

40万円との差額が夏期講習,冬期講習,その他もろもろにかかるわけです。

月額授業料が少し高目でも,
トータルではリーズナブルに設定された塾もたくさんあります。
(手前味噌ですが,うちもそのように設定したつもりです。)
こういうところは月額がぱっとみ高いので,若干スタートで敬遠されがちですが,もっときちんと比較してトータルで検討して欲しいなぁと思っています。

ちなみに参考まで,家庭教師の費用はさらに高額です。
(こちらも上にリンクをはった文部科学省の平成30年度調査に記載されています)

年間1円以上支出者だけの平均額では,中学生(公立)で82万円,高校生(公立)で97万円とほとんど大学にでも通えるのでは…というような金額なのです。

あ。あとインターネット上でも学習塾にかける費用の平均値をよく見かけますが,上記の表をみると,中学生でも3~4割ぐらいは0円ですから,平均値だけみてもあんまりあてにならないので注意しましょう。

それで結局どう選んだらいいのか。

まとめます。
結局のところ,なにをポイントにして選んだらよいのでしょうか。

上記のような検討ポイントを参考にしつつ,お子さんにあうか,あわないか,に重心をおいて考えてみてください。とりわけ注意したいのは「予算」をベースにしすぎて本末転倒にならないように気を付けてください。

授業料は重要です。
だからこそ授業料がいったいいくらかかるかは慎重に考えて欲しいのです。

そのうえで,何を期待するのか?をきちんと網羅してくれている学習塾を選んで欲しいです。

近頃は,ピンポイントでユーザーのニーズにこたえてくれるような学習塾もたくさんあります。大手学習塾に授業料では勝負できない個人学習塾の中には本当にきめ細かいサービスを提供してくれている塾長さん率いる塾がたくさんあります。

逆にいえば,いちばん大きな願いをフォローしていない 学習塾 はいくら安価でも通う意義はありません。

お子さんが何を望むか。
お父さんお母さんがお子さんに何を望むか。

それらのバランスを考えたうえで,授業料に照らすと良いのではないでしょうか。

できればそのとき
もしもそれらが二律背反で,
いずれもゆずることができない大事な価値観がぶつかるようなら

ぜひとも一度は
お父さんお母さんの意志よりもお子さんの意志を優先して欲しいと思います。

それが塾選びのもっとも重要なポイントではないでしょうか。

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