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ミライデザインラボ

室長ブログ

親と子の コーチング を考える。#3/MDL式コーチングと親子のコーチングスキル

「聴く」ということ。アクティブリスニング。

1日に10分。
他のあらゆる障害物を取り除いた状態でお子さんの話を聴いてみる。

いかがでしたでしょうか。

なかなかうまくいかないですよね。
でも大丈夫です。これまでの自分を変えること,生き方を変えること,このためには「行動すること」これが最も重要なのです。

うまくいってもいかなくっても,試しにやってみてください,と言われて,たとえば「なんだかいい話をきいたから,じゃぁやってみようかな。」と思った人が10人いたとすると,実際に「やってみる」までたどり着く人は,実は1人ぐらいしかいないのだそうです。

つまり,感じて,思って,行動できるひとは,10%程度ということです。

だから,やってみたけどなんだようまくいかないじゃん!

と憤慨しているひとは,これだけですでにトップ10%ですから,
これはもうすでに群を抜いていると言ってよいのではないでしょうか。

すなわち,「聴く」ということが,うまくいかなかったとしても
「聴く」ということがうまくいくための道のりを歩きだしていることだけで
十分に変化は起き始めています。大丈夫。

どうしてうまく聴けないか。

これまたコーチングが親子で機能しないことと,重複するところはあるでしょう。

しかし,ここでは少し技術的な話をしてみます。

うまくいかなかったなーと感じたひと
どんな点がそう感じたのかもう一度思い出してください。

  • 結局,解決しようとしてしまった。
  • 子どもが話したがらない。
  • 一問一答で終わっちゃう。
  • 話がぐるぐる廻りだして,ループから抜けられなくなった。
  • 「で?」ってなった。

しっかり聴こうと思ったとき,こんなことしてませんか?

  • うなずき,相槌,オウム返しを意識した。むしろそれに集中した。
  • 質問をいくつもいくつも繰り返した。
  • 質問を2つ以上重ねた。
  • しっかり聴く姿勢ができていなかった。
  • 途中で話し方や話す手順,まとめ方についてレクチャーをいれた。
  • 子どもの考えに懐疑的だった。
  • 子どもの考えに否定的だった。
  • 子どもの言うことだと思って真剣に聴けなかった。
  • ポケモンの話は退屈だ。
  • プリキュアの話は正直退屈だ。

こんなこと意識してみましょう。

では,そんなみなさんのためにもう少しだけ気を付けるポイントを書いてみますね。

興味を持って聴く

興味をもって聴くは最低限のマナーです。
興味なさげに聴くお父さんお母さんはいないでしょうが,途中で気を抜くとね,興味がうすれてるの悟られますね。とりわけ知らないアニメとか知らない怪獣とかの話はね,正直,僕も子どもと話していると興味が薄れていって,やべー生返事になってるーというのあります。

子どもたちが興味を持っている対象の,何が,どんなところが,そんなに楽しいのかな。この子にとってどんな意味があるんだろうな,と興味をもって聴いてください。できれば子どもといっしょになってそれを楽しめれば一番良いのですが…。

相手の考えを知ろう,理解しようとして聴く

これも基本ですね。
あなたのことをいちばんよく知っているのはあなただよね。
だからあなたのことを教えてください。

という意識で聴くということです。
聴き手はいつも,教えてもらう立場なのです。

ここをスタート時に間違うと「分析」して「解決」しようというスタンスになってしまいますし,聴いている最中に「思い込み」や「決めつけ」が発生しやすくなります。分析的になればなるほど勝手な思い込みにハマりますから注意してください。

「このひとの怒りは,親への愛情の裏返しだな」なんて,いったん決めつけてしまうと,とんでもない。終始その考えに縛られたセッションになるので,そこから離れるだけでも至難の業になります。

分析的に聴く必要はありません。

自身の経験や知識を過信しないでください。そのひとの気持ちは,そのひとだけのものであって,これまでのあなたの経験値が役に立つかどうかはわかりません。聴く,ということはまずはありのままを理解しようと前のめりで聴く姿勢です。

今目の前のひとはどんな気持ちで,何を感じているのか。

まずはそれを一生懸命,ひたすらに聴いてあげてください。

多くのは場合はそれで自ずと信頼度は高まっていきます。
信頼度があがれば,話は新しい展開を迎えるでしょう。

うなずきと相槌

先の記事(#03)では,うなずきや相槌はあんまり意識しなくてもいいと述べましたが,スキルとしてはしっかりと身に付けて欲しいものでもあります。しかし,これに固執し過ぎれば対話そのものが崩れてしまいます。なぜならうなずきや相槌は対話を成立させるためのひとつのテクニックに過ぎず,これに焦点をあてたままお子さんの話を聴くことは事実上不可能だからです。
つまり,うなずきや相槌をすることに注力してしまうあまり,話の本質を聞き逃したり,あるいは本当は聞き返したい箇所があっても相槌だけでスルーしてしまったりして,話し手の話す意欲をそぐ可能性もあります。
なにより対話の中の不自然なうなずきや相槌は,必ず話し手に違和感を与えますから,自然な対話には決してなりません。であれば,まずはお子さんとの対話を楽しむことに注力して欲しいと思います。

というわけで,当面は意識しなくてもいいと述べたわけですが,とは言え,うなずきや相槌は,すごく重要です。
「石の人のワーク」という,AさんがBさんに一方的に話をし,Bさんは一切反応せずにAさんの話を聴き続けるというワークがあるのですが,無反応のひとに対して2,3分でも話を続けるのは本当に苦痛です。

うなずいてくれたり,「ああ」とか「ええ」とか,「へー」とか「そうなんだー」とか,合いの手が入るだけで,話し手としては盛り上がります。聴いてもらえている感が出るのです。

こういうのを「励まし技法」と言います。

うなずきと相槌は,バリエーションが多ければ多いほどよいと思います。

しっかりと聴いて,しっかりと反応を返してあげる。
当たり前ですが,前段の通り,興味を持って聴く,理解しようとして聴く,というベースがあって初めて成立するものです。

そのうえで「へぇ」のひとつとっても,イントネーションや感心の度合,深さでバリエーションを出せるとGOODです。バリエーション出せると,というとSKILLぽく聞こえてしまうし,まぁそうなんですが,問題なのは,うなずきひとつとっても心からのうなずきでないと「嘘くさい」。

これに尽きますね。

解決するにはもう一生懸命練習重ねてください。
そのうち「嘘臭さ」が消えます。とにかくいろんな人の話を聴くときに練習。

ちなみにオンラインの会議のときは,ちょっと大げさにすると響きやすいでしょう。

オウム返しするポイント

しかし,この励まし技法に最初の罠があります。

これだけに全集中して,徹頭徹尾これに終始すれば,自ずと相手の話への注意が散漫になります。かつ,言語以外の要素,相手の視線,呼吸,手や足の動き,髪を触る仕草やうつむき加減になったりする,いわゆる癖,などを見過ごしてしまう可能性があります。

そして,それ以上に

これだけしてると,「話がグルグル」しだしませんか?
いつまでも結論が出ない話。
聴いてるだけでいいって言ったじゃん。でも話進まないんだけど。

精神科医の先生や臨床心理士の先生方の中には,究極は話しを聴くだけでカウンセリングを完成させられるのがいちばん良い,とおっしゃる先生方もいます。

僕はどちらかというと,カウンセリングをしたいわけではなく,本人がこれからどうすればいいのか?を未来志向的に解決に導きたいとやはり思っているので,できればセッションを繰り返すうちに自分で何かに気が付いて,解決して欲しいと思っています。

カウンセリングとて同様ではありますが,
もっとアクティブにセッションはすすめたいと思っています。
(そのためには,コーチングはあくまで「目標を持っているひとが,目標を達成することを支援するプロセス」であって機能するもので,メンタル不調のひとを回復させる役割のものではないのです。)

では,話がグルグルする場合,どうするか。

  1. オウム返ししているポイントを見直す。
  2. あなたはどうしたいのかを問う。

話が十分に深まっていなければ,こちらから積極的に新しい展開にもっていってはいけません。十分に深まっていない様子にも関わらず,話がグルグルしたり,取り止めがなくなったり,飽きてきてしまったりする場合,オウム返しのポイントが外れている可能性があります。

相手の話の中で,相手にとって重要なポイントを返してあげてください。
とりわけ「心情」や「強いワード」を拾ってあげるとうまくいくと思います。

気持ちをしっかりと拾ってあげること。
言葉に現れない感情を拾って,まとめて置き換えてあげてもOKです。

ただし,感情の置き換えは,的を外すことがありますから,あまりにも外しすぎれば信頼度を下げることになります。その場合は,適度に確認を入れつつ,あなたのことを理解しようとしているんだよ,わからないから教えてください。という姿勢を保ってください。

あるいは,曖昧だけど曖昧さに気が付きにくい言葉,すごく強い意味を持つ言葉,いわゆるビッグワードをオウム返ししてあげてください。

場合によってはビッグワードを「それってどういう意味?」とか「それ,どんな気持ちなの?」と聞き返してみてください。

愛,勇気,信頼,やりがい,常識…

「絶対,許せない!」なんて言葉,わりと出てきますよね。
「絶対」もパラダイム(物事の見方や考え方,捉え方のこと)が固定化されている気配がしますし,「許せない」にも何かそのひとの強い想いが隠れていそうな気がします。いずれも「絶対」なんてことはなく,選択肢は一般に複数ありますし,「許せない」ことなんてそんなにたくさんはないはずなのです。

けれども,当人にとっては重要で,
しかもその瞬間,感情は高ぶり,あたかも自分は正しい。自分だけが正しい。という偏ったパラダイムができあがっているので,ここをもう少し深堀りするように問いかけてあげたり,オウム返ししてあげるとよいと思います。

あなたはどうしたいのか問う。

十分に話が煮詰まっていると感じたなら,僕は「で,どうしたい?」を問います。

とは言え,相手の状態によっては,なかなかこのステップには進めないこともたくさんあります。そもそも聴くだけに徹するのなら,ここはさておいていいかもしれません。アドバイスにつながりやすいので,「また説教?」みたいになってしまうのは最悪です。

ただ,目標をもって,それをなんとか達成したいと思っている(真に思っている場合)のなら,「で,どうしたい?」に目を向けることで,話は新展開に向かいます。

過去をいくら分析したとて,何かを変えることはできないからです。

殻に閉じこもっていたいのであれば,しばしこの質問はせず,殻の中で自分の気持ちを見つめ,向かい合う工程を続けてもらえばいいのですが,いつまでもそこにいることはできません。できないというよりは,もしもそれを本人が望むとすれば,目標達成したい!という希望の方がたぶんあやふやで本当の目標ではないのでしょう。

十分に機が熟したら,

「それであなたはどうしたいのか?」で新展開へ!

しかし本当に慎重に。
口ではポジティブな言葉を発していても,即座に行動に移したり,即座にどうしたいのかを口にできるひとはそんなにたくさんいません。

「あなたはどうしたいの?」が

「なにかしないとなんにもかわらないよ。はやくやりなよ」

のように伝わってしまわないように,丁寧に進めて欲しいですね。
(このようなニュアンスになるのはおそらく信頼度が低いためです。たとえば聴き手が話し手の言葉に懐疑的であるとか,話し手がしっかりと聴いてもらっていると感じていないとか原因は様々です)

まとめ

MDL式親と子のコーチング。
引き続き,1日10分の親子の会話をがんばってみて欲しいと思います。

10分とは言わず,1分でもOKです。
他のあらゆる作業を中止して,ただただ会話をする時間を設けてみましょう。

そうそう,二人だけの会話は,ふたりだけのものにしてくださいね。
守秘義務とまでは言いませんが,
大事なことかもしれません。

いろいろとお話をしましたが,結局のところ,最も重要なのは「そのひとのことを理解したい。」「信頼している」「きっとできる」というコーチングマインドです。

今すぐに響かなくてもOKです。
子どもは子どもなりに,時間をかけてお父さんお母さんの言葉を咀嚼し,理解しようとしています。その理解に時間がかかるのはオトナでも同じです。胸に手を当てて考えてもらえればきっとピンとくると思います。

お父さんお母さんの愛はいつか必ず伝わります。

世界の唯一の真理は「愛」だと僕は思っています。
ゆえに「愛」は必ず伝わります。

お子さんを信じて,今はあるがままに「聴く。」に努めましょう。

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