公園デビュー、幼児教室、そしてスマートフォンの画面の向こう側。 私たちの周りには、常に「他の子」の情報があふれています。
「〇〇ちゃん、もうひらがなが読めるんだって」
「あそこのお子さん、好き嫌いなく何でも食べてえらいわね」
「SNSで見かけるあの子は、いつもオシャレで楽しそう…」
ふとした瞬間に、わが子と比べては、焦ったり、落ち込んだり。 「うちの子、このままで大丈夫…?」という不安が、じわじわと心をむしばんでいく。
私たちはこの状態を、愛を込めて**「比較地獄」**と呼んでいます。 今日は、この出口の見えないトンネルから抜け出すための、とっておきのツールをご紹介します。
◆ なぜ私たちは「比べて」しまうのか?
まず知っておいてほしいのは、「比べること」自体が悪いわけではない、ということです。 他の子どもの様子を知ることで、わが子の成長の目安がわかったり、新しい遊びのヒントを得られたりすることもあります。比較は、子育てという未知の航海における、一つのコンパスになり得るのです。
問題なのは、比較の末に**「わが子に“足りないもの”ばかりを探してしまう」**状態に陥ること。 コンパスが指すのは「あの子」という目的地ばかりで、自分の船(わが子)がどれだけ前に進んだかを見ようとしない。これが「比較地獄」の正体です。
この地獄にいる限り、私たちはわが子自身のユニークな個性や、昨日までにはなかったはずの確かな成長を見過ごしてしまいます。それは、親子にとって、あまりにもったいないことです。
◆ 視点を変える魔法のツール「わが子観察ノート」
では、どうすればいいのか? 「親ラボ。」が提案するのは、比較のベクトルを「外(他の子)」から**「内(わが子自身)」**へと、ぐいっと捻じ曲げるためのシンプルなツールです。
それが、「わが子観察ノート」。
高価な手帳も、特別なアプリも必要ありません。 キッチンの隅にあるメモ帳や、いつも手元にあるスマートフォンのメモ機能で十分です。
ここに、親という「評価者」の目線ではなく、わが子を愛する一人の「研究員」として、観察した”事実”を淡々と記録していくのです。
【何を記録する? “研究データ”の集め方】
ポイントは「できた/できない」で評価するのではなく、ありのままを記録することです。
- 小さな成長の記録(=過去との比較)
- 例:「昨日よりブロックを1つ高く積めた」
- 例:「苦手なピーマンを、米粒ひとつ分だけ食べた」
- 例:「『ママ、どうぞ』が言えた」
- 面白い言動・行動の記録
- 例:「『雨さんは空のシャワーだね』と言っていた」
- 例:「ティッシュを全部出して、ベッドだと言ってぬいぐるみを寝かせていた」
- 夢中になっていることの記録
- 例:「公園の砂場で、15分間ひたすら穴を掘っていた。表情は真剣そのもの」
- 例:「電車の図鑑の同じページを、毎日飽きずに眺めている」
◆ ノートが教えてくれる、たった一つの「正解」
このノートを続けていくと、驚くほどたくさんの発見があります。
「あんなにできなかったのに、いつの間にかこんなことができるようになったんだ」 「この子、私が思っているよりずっと面白い視点で世界を見ているんだな」
ノートを見返すたびに、他の誰でもない、**“わが子自身の成長”**を実感でき、焦りや不安は、確かな喜びと安心感に変わっていくはずです。
イライラして「比較地獄」に陥りそうになった時、このノートはあなたを現実に引き戻してくれる最高のお守りになります。そこに書かれていることこそが、誰にも真似できない、あなたの家庭だけの「正解」なのですから。
「観察ノート」は、わが子を深く理解するための、世界でたった一つの貴重な「研究データ」です。
「親ラボ。」のセミナーでは、この集めたデータをさらにどう読み解き、子どもの個性や才能を伸ばすための**「次の実験(関わり方)」**にどう繋げていくのか、という具体的なステップを詳しくお伝えしています。
公式LINEでは、ノートを楽しく続けるコツや、他の研究員(親)の皆さんがどんなことを記録しているのか、といった事例もシェアしていく予定です。 ぜひ、あなたも「研究員」の仲間になりませんか?
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まずは、今日の面白い発見を一つ、メモするところから。 その小さな記録が、あなたを「比較地獄」から救い出す、大きな一歩になります。
次回は、**「その『なんで?』が才能の芽!子どもの好奇心を未来の力に変える親の関わり方」**をテーマにお届けします。子どもの質問攻めに疲れている方、必見です。
親ラボ。研究員