「俺の敵はだいたい俺です。」
アニメ「宇宙兄弟」のワンカットでお兄さんが言った言葉ですが,俺に勝つことができたとき,ひとは自信をひとつ積み上げます。
なのにその難しいこと,難しいこと。
行動を変え,習慣を変えるにはものすごく苦痛を伴いますから,なんとかしてその苦痛から逃れるために僕らは日々いろいろなことを考えます。
たとえば到底敵わないひとをわざわざ目標にして,そのうえで「アイツは特別だから」「あのひと天才だから」という最適な理由を見つけるとか。
「だから敵うはずはない。努力しても無駄。じゃぁ努力をやめよう」
たとえば「今日はちょっと時間がないからできません」と,あたかも本当に時間が不足しているかのように,それを誰かに伝えることで,遠回しに自分を説得するとか。
時間がないというのはたいていの場合,嘘です。
正確には「それに割く時間がない」だけです。つまり優先順位を低く置いているということなのですが,一方でそれをしないことで浮かせた時間を何に使っているかというと,言わずもがな。
人間だもの。
サボりたいときもあります。
そういうときは,毎日1時間の努力だったら,その日は10分だけやってみるとか,ちょっと視点を変えた何か別のことをしてみるとか,あるいはもう今日は一日サボる!と心に決めて,強い意志でサボればいいのですが,しかし多くの場合は後ろめたい気持ちに気付きながら,見て見ないふりをしながら,なんとなく惰性でサボってしまうのです。
そうなればもう習慣化できず,元の木阿弥。
そういうときじゃぁどうすれば良いのかというと。
簡単です。
もう一度最初からやり直せばいいのです。
三日坊主になってしまったなら,1日おいて,また再スタートです。次は,三日坊主の壁を破って,四日目を目指しましょう。それで五日目に心が折れたなら,次の日また再スタートです。今度は五日目を目指すのです。
何かを手にしたいと思うのなら,手を伸ばすしかありません。
それで,目一杯伸ばした手が,その何かに触れることもできなかったとしたら,もう一度目一杯手を伸ばせばいいのです。
そうして,今度は手が届くか届かないかはわかりませんが,それを手にしたいと願うなら,僕らは手を伸ばし続けるほかないのです。
もしも誰かがそれを妨げるとすれば,「俺」をおいて他にいません。
俺の敵は,だいたい俺なのです。