三つ目の提言です。
お子さんがもしも自ら適切な行動を取ったとき,このタイミングを見逃すことなくしっかりと認めてあげてください。
適切な行動をとっていないときは基本無視です。
無視と言っても放置とは違って,彼らの善意を信じて優しく見守るということです。
遠回しに勉強させようとしたり,嫌味や罰を与える必要はありません。信じて見守るのみです。信じてあげられるかどうかはポイントです。お父さんやお母さんの複雑な気持ちを案外子どもは読み取っているものです。
そして,ひとたび適切な行動を取ったときこそチャンスです。
しっかりとその行動を認めてあげることです。
褒めるんじゃなくて,認めるです。
行動そのものを認めてあげるだけでいいのです。評価は不要です。
認めるというのは,
1.行動を事実そのまま受け止めること。
最近,よく教科書拡げてるよなぁー。
部活がんばってるみたいだね,ユニフォームの汚れ方がスゴイもん。
昨日も夜遅くまでがんばってたな。
2.うれしいとか,誇らしいとか,そういうお父さんお母さんの気持ちを伝えてあげること。
今の君を見ているとなんだかうれしくなるよ。
父さんも仕事がんばらなきゃなーって気持ちになる。
きっとうまくいくだろうなってワクワクする。
3.感謝を伝えること。
弁当箱洗ってくれたの?ありがとう,助かるよ。
留守番ありがとう,おかげで仕事がはかどったよ。
あなたががんばってるのを見て,お父さんも張り切ってるのよ,ありがとう。
みたいなことです。
もうひとつ,適切な行動というのは,
そのコミュニティ(たとえば家族とかクラスとか)にとって,総じて利益になる行為,あるいはコミュニティ全体の役に立つとか,望ましい行動とか,みなが喜ぶ行動のことです。
要するに,家族のために貢献してる感のある行動ですね。
子どもたちが自分で勉強をすることは,子どものためだけのようで,実のところ家族全体にとっても望ましい行動であるということを認識して欲しいと思っています。
自分にできることは何だろうか。
お父さんやお母さんが一生懸命働いて,一生懸命家事をするのに対して,僕や私はいったい何ができるのだろうか。
そんなふうに考えてくれれば,自分の成長はお父さんやお母さんの喜びであり,家族の幸せに繋がることに気が付いてくれると思います。
まとめ
総じて僕が言いたいのは,「勉強しなさい」がうまくいっているひとはそれを続ければいいし,まったく手応えなくて,ぜんぜんうまくいっていないのに,それを続けるのは,ちょっと無策過ぎなので,成功させたいのならちょっと手法を変えてみるのがセオリーですよ,ということです。
不思議なもので,多くの場合,「勉強しなさい」と指示するというもっとも安易で,もっとも効果の薄い方法が選択されるのですが,結局のところこれで成果が上がることはほとんどありません。
考えてみればそりゃそうなんですね。
やれって言われて,やるなら,誰も苦労しないですからね。
それどころか自分のことだって,うまくコントロールするのは難しくて,宿題やろっかなーと思いつつも,なかなかやれないなんてことは普通にありますよね。
だからこそリーダーシップ論とかマネジメント論とか,いろんな議論があって,いろんな手法が存在するのだ,とも言えます。
大人にできないのだから,子どもにだって難しいです。
対等な立場で,いっしょに考えてあげること。
そういう環境とマインドセットが何よりも大事なのだと僕は思います。
簡単ではありませんけれど,やってみようと思ってチャレンジしない限り,ぜったいに成功はしないのもまた事実。少しずつで良いので,いろんな方法を試してみましょう!