7つの習慣セルフコーチングを実践していると気が付くことがあります。それは,感情のコントロールが実践する以前よりもずっとスマートにできていることです。
感情のコントロールというと,あたかも自分の感情の発生や抑制を自分自身で好きなようにできると感じるかもしれませんが,そうではありません。
腹が立つことは腹が立ちますし,悲しいときはやっぱり悲しいのです。
嫌われる勇気を持ったとしても,好きな人から嫌われればやっぱり辛いし,寂しい感情はあたりまえに表れます。
しかし,これらの感情と向き合ってしっかりとその根源に触れることやその感情を受け入れてあげることでその起伏をなだらかにしたり,別の解釈あるいは感じ方に反映させることができるようになります。
「できるようになる」というのももしかしたらニュアンスが違うかもしれませんね。
自分で「感情」をどうにかするのではなく,気が付けばそういう結果に落ち着いているというほうが適当かもしれません。
僕は元々沸点が低くて,すぐに怒りをあらわにするような残念な大人だったのですが,「7つの習慣」に触れて,アドラー心理学に触れて,「怒り」は自分が何かの目的を達成するためにツールとして利用しているのだという理解が腹落ちしたとき,腹が立つようなことがあれば,なぜ自分は腹を立てているのだろうか?怒りを何かにぶつけることで,どのような結論を得ようとしているのか?と考えることができるようになりました。
セルフコーチングはさらにそれを加速させます。
するとどうなったかというと,上記のような思考をする回数が増えるにつれて,やっぱり腹が立つ瞬間はたくさんある一方で,「いや待てよ」という思考に移行しやすくなりました。
今では無意識に,気が付けばそういうセルフコーチングモードに入っているなんてことばかりです。
そのような思考に入ると(セルフコーチングらしく言えば,自分の中にいるコーチが「あなたは今,何に対して腹を立てていますか?」「怒ることで,どのような目的を達成しようとしていますか?」と問いかけてくることを意味します),無意識にその思考に答えを出そうとするので,怒っている目的やその意味と否応なく向き合うことになります。
多くの場合,僕が腹を立て,怒るという行動を選ぶとき,それはたとえば「安易に結果(たいてい他者の行動)を自分が望むものにしたい」という欲求を持っていることがわかります。
子どもが悪さをしたことに腹を立てて叱るとき(叱るときは,たいてい気持ちの根源をたどるとほぼ怒っています),なぜわざわざ高圧的に,諭すように,上から目線で語るのかと考えれば,そうすることで「わかった」と「ごめんなさい」という言葉を引き出しやすいと勝手に考えているからです。
このような安直な方法で他者の言動や気持ちをコントロールすることは実際は不可能なのですが,怒っているお父さんに対して子どもは嫌われたくない想いなどから,結果大人が求めている結論を得やすいのではないかと考えています。事実,表面上はそのように見えることが多いと思います。
そのような成功体験を繰り返すことで,僕は声を荒げれば子どもが言うことをきくだろうという幼稚な理解をしている可能性が高いと考え始めたとき,こういう言動は激減しました。
こういうことを考えるような習慣が身につくと,やがて脳は無意識にこれを行うようになります。すると,腹が立ったとしても,怒りを使うよりも,もっと違うアプローチの方が「望む結論を得る」のに適切だという判断ができるようになります。
(現実にはこういうことを考えながら,手順を踏んでるわけじゃないので,頭の中のプロセスをひとつずつ考えながら書き出してるだけです,念のため)
そうすると気が付けば,腹を立てたまま勢いで怒るのではなくて,冷静に対話をしてみたり,その場をいったん離れたり,相手にとりあえず委ねてみたり,「怒る」以外の選択をしているのです。
その都度選ぶ選択肢はたくさんあっていいし,どれを選んでもただ「怒る」よりはずっと建設的で,良い結果を招いているのです。
僕の場合,良いことか,悪いことか,最善策かどうかはなんとも言えませんが,「怒る」を続けることもあります。
アピールとして「怒っていること」を伝えたいこともありますし,どうしても「怒る」目的に照らしても,今の腹立たしい気持ちが解消できないこともあるからです。
それであとから大反省会を行うことになるのですが(結局,「怒る」という選択は最善手ではないことの方が多いと思います),そういう自分も愛すべき自分です。今の自分をしっかりと受け入れて,少しずつ成長していきたいと思っています。
セルフコーチングで感情と向き合う
「7つの習慣セルフコーチング」は,こういった感情との対話にも役立ちます。うまく感情と向き合えたときの自分は,なんとも誇らしく感じ,とっても嬉しい気持ちになります。まして僕はしょっちゅう腹を立てては怒っていたひとですから,これができたときの達成感たるや筆舌に尽くしがたいものはありました。
その結果,たぶん人間関係にも影響を及ぼすでしょうし,これを続けていくことで根幹たる「人格」が育まれているのだなぁと実感することもできます。
50歳を前にして,まだまだ未熟だなぁと感じることがたくさんありますが,それでも日々少しずつ学んで行くことは,人生の大いなる目的のためでもあり,達成しようと努力している自分がたまらなくステキだなと思う瞬間もあります。
みなさんにもぜひそんな気持ちを味わって欲しいと思っています。
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