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ミライデザインラボ

室長ブログ

なぜミライデザインラボでは,学習塾なのに勉強を教えるよりも,マンツーマンでじっくりと話をすることを大事にするのか。

こんにちは。ミライデザインラボ室長です。
今日は当ラボが大事にしている,というかほとんどすべてと言っていい 1 on 1 コーチングについて書こうと思います。

どうして僕は生徒たちの話をゆっくり聴く時間を重要視しているのか。

理由はたくさんあるのですが,そのうちのひとつは,何かと忙しい現代社会こそ,子どもたちの話に耳を傾ける時間が失われているのではないかと思うからです。コーチングやカウンセリングは聴くことが大前提としてあります。そういう時間を意識してつくることが,彼らにしっかりと寄り添うことに通じると考えているからです。

マンツーマンで話をする,ということ。

コーチングやカウンセリングに共通するのは,1対1での真摯で誠実な対話がベースになっている点です。

1on1ミーティングはヤフーやgoogleをはじめとした超一流企業でも人材育成の要として多く用いられており,マンツーマンでじっくりと話をすることは対象となる者にとってはパワフルにその効果を発揮することから,多くのマネージャーたちはこの1on1ミーティングのスキルを要求されています。

しかし,あるアンケート調査では,ほとんどの上司が「部下の話を普段からしっかりと聴いている」と考えている一方で,部下の多くは「上司が話を聴いてくれないと感じている」という結果が出ているのです。つまり,マネージャーやリーダーたちは,自分が思うほどしっかりと話を聴くということができていないのです。

ここにコーチング型人材育成が簡単にすすまない理由があるのですが,コーチングスキルは誰もができそうで,実際は意識して身に着けない限りなかなか身につかない実情が確かにあります。

なぜ上司は部下の話が聞けないのか。

第一に,プレイヤーとして優れた結果を残し,その実績をもってリーダーになった者は,その有能さゆえに自分のスタイルに自信をもっています。したがって,自分の技能に及ばない他者(とりわけ結果を残せていない者を指しますが,これとても実は単なる思い込みです)に対しては指導こそが有効で,そのひとたちが持つ本来の力を信用していないことがよくあることなのです。

第二に,一般に即効性のある効果に視野を奪われて,根治療法よりも,対症療法,すなわち即時に効果があらわれにくいコーチングのようなマネジメント手法よりも,わかりやすい成果―今,目の前にある仕事の完了―を優先させやすいことです(けれども実際は”目の前に今しがた起きた仕事”は案外やらなくてよかったんじゃね?的な仕事が少なくありません)。

これらを子どもたちをとりまく学習環境(とりわけ学習塾)に照らせば,明日のテストの得点や今日一日の勉強時間に視界をうばわれてしまって,もっと根本的な学びと生徒自身の内面に目を向けることは,後回しにされがちであるという事実が浮かび上がります(しかし誤解のないように書きますが,学習塾がこの分野をフォローする必要がないと割り切ることは正しい選択のひとつです。そのことに善悪はありませんし,すべてのフォローをしようとすれば中途半端なものができあがりやすくなりますので)。

だからこそ,僕たちは子どもたちとの対話に全力を注ぐという選択をしました。子どもたちの十年後二十年後に焦点をあわせて,いつかひとりで学ばなくてはならないその日のために,ゆっくりと時間をかけて内面に問いかける方法を選びました。

1on1コーチングの1時間,僕たちは生徒の話に耳を傾けます。

今の自分の立ち位置,達成したい目標,またその目的。

自分はどんなひとで,どんなことが得意なのか。どういったときに,どんな考え方をする癖がついているのか。あるいは,最近胸を痛めている話,悩んでいる話。生徒たちの強みを探し,弱みをポジティブに変換します。

密度の濃い1時間はあっという間です。

普段考えない自分のことを考える時間は,生徒たちにどんな影響を与えるでしょうか。

自分で自分を振り返る癖(僕はこれを内省力と呼んでいます),社会に出る前に必ず身に着けて欲しい能力です。内省力の高いひとは勝手に成長できます。自分の望む方向に成長していくことができます。

1対1の対話は,自分自身と向かい合う対話でもあります。

自分のことは案外自分は知らないものですから,あえてそういう時間をつくることで,自分を客観視できるようになります。俯瞰した眼をもつことができたら,次は自分をコントロールすることもできるようになります。

他者の変容ではなく,自身の変容で世界を変える。自分以外のものに責任を求めるばかりでは世界は変わらない。それを知るひとになれば,自ずと世界はかわっていくのですね。

ミライデザインラボの1on1コーチングは,まさにそんなことを見据えています。

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