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ミライデザインラボ

室長ブログ

SNSとスマートフォンと中学生

スマートフォンを手にしている中学生が増えている印象があります。

スマホはとっても便利なので,僕らも今すぐこれを失うのは困ると言えるぐらいの便利さがある一方で,みなさんが心配するとおり,過度な使用は睡眠障害やうつ,記憶力や集中力の低下,学力の低下や依存に結びつくとスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン先生が指摘しています。

同氏の2021年ベストセラー『スマホ脳』がこれを指摘するだけでなく,他にも多くの学者さんたちが脳に与える影響やら,依存することで様々な社会的な問題について怖くなるほどたくさんの論文や書籍が出ています。

僕が関連する記事でいちばん怖いなと感じたのは「SNSに依存することで精神疾患を罹患する率や自殺する率があがるというものです。

2015年以降のアメリカの米疾病対策センター(CDC)のデータによれば
・スマホ利用を止められた若者に離脱症状(薬物依存の症状)が見られた
・スマホが手元にないことで知的作業への支障や喪失感を感じる人がいると報告された
・うつ病の患者と自殺者がスマホが普及し始めた2010~2015年に増加
・10代女性の自殺率は5年間で65%、中高生は31%増加
・重度のうつ病になる女性は58%増加
・毎日5時間以上スマホを使う若者の48%が自殺について考えたことがある
・使用時間が1日1時間という人の場合は28%だった

という非常にこわい研究結果が出ているのだそうです。日本でも最近では川島隆一先生の「スマホが脳を「破壊」する (集英社新書)」でスマホの使用が脳に発達に深刻な影響を与えるのだと警鐘をならしています。

そのほか,アメリカの研究で,自殺率の推移とスマホ普及の時期を比較し,自殺率の増加とスマホ普及の時期が一致すること,スマホを利用する若者で自殺を考えたことがある人も多いことから,スマホ利用と精神疾患や自殺の増加が関連すると結論付けています。

SNSの利用で,あたかも自分よりも素敵な人生を送っている人をたくさん見たり,聞いたりする機会がふえました。うらやましいと思うと同時に,自分はなんてダメな人間なのだろうかと思ってしまうティーンネイジャーが増えたのだそうです。

しかしSNSの向こうのひとが,果たして本当のことだけをアップしているかどうかはわかりません。自分だけがツマラナイ人生を送っていると簡単に考えてはいけないのですが,ティーンネイジの視野ではそういったことを理解するのはまだ少し難しいのでしょうか。

これらのデータを過度に危険視する必要はないのかもしれませんが,しかしスマートフォンやSNSの利用が学力低下に寄与しているのは間違いないでしょう。スマホが視界に入っているか否かで,集中力は雲泥の差になりますし,集中力が下がれば学習効果が落ちるのはあたりまえなのことだからです。

事実,スマホを片手に学習している子どもたちの成績は,学習時間に対して相応に向上しづらく,学習時間が増えているのになかなか成績に反映しない本当にもったいない状況なのです。

せっかく2時間学習時間を設けるのですから,2時間ぐらいはスマホをかばんにしまうなど,視界から外し,意識の外へ置いておいた方が有効な2時間になります。気を散らせながらの2時間の学習なら,いっそ1時間学習にあてて,1時間スマホにあてるほうがずっとマシかもしれませんね。

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