MENU

ミライデザインラボ

室長ブログ

お父さんとお母さんを支援する相談室#5 ―大学選択の失敗は,どこで起きるか。

いざ大学に入ってみたのはいいけれど,思ってたんと違うとか,思ってたとおり嫌なところだったとか,友だちができないとか,勉強が忙しくてやってらんないとか,まぁいろんな想いが学生たちの頭の中を駆け巡った結果,あぁこれ「間違ったな」と結論づけてしまうことは結構あります。

大学にももちろんよりますが,僕のいたところではざっくり10%ぐらいの学生が,大学に来なくなったり,そのまま退学してしまったり,基準を満たせずに留年したり,人生を考え直す休学に入ってしまったりしていました。

大学への理想と現実のギャップ。
それには大学選択にしっかりとエネルギーを注いでこなかったことも大いに関係していると思っています。

偏差値で大学決めました。
お父さんとお母さんがすすめてくれたので。
家族はみんな同じ学部なので。

大学は高等教育機関なので,それまでの学校とは違ってなんとなく好きでもない授業の時間をやり過ごすことは容易ではありません。いや興味のない分野の学問,専門的な話を聞き続けなくてはならない苦痛は相当なものです。もしも上記のような理由で大学を選んでしまうと,4年間は苦痛の連続です。たとえ偏差値で選ぶにしても,興味のある分野に近い大学,学部を選択しておかないとせっかくがんばって入学したのにドロップアウトしてしまうこともありえます。

とりわけ医学系学部のような,ほとんど行き先が決まってしまう分野においては,逃げ道はまったくありませんから入った時点で,学ぶ学問分野に対してアンマッチを起こしてしまえば,結末を予想するのはそんなに難しくないでしょう。

そんなふうにアンマッチを起こした学生さんたちの相談を受けていて,よく感じるのは「両親の意見に従う以外の方法」を案外知らない子どもたちは多いんだなぁということです。

本当は最初から,その分野には進みたくないと思っていても,あるいはその大学には行きたくないと思っていたとしても,両親が強くすすめてくる(あるいは強制されるケースもあります)ことを拒めず,成り行きのままに入学してしまうケースは結構な頻度で起こるのです。

しかしこのことをご両親に聞けば「本人が希望していた」とほぼ百発百中で言われます。つまり,ご両親は本人としっかり話し合いをして,本人の希望にそっていると考えているわけです。この齟齬はいったいどこでうまれるのだろうかと本当に不思議に思います。

偏差値や大学のブランドで,進路を選択してしまった学生たちの行き先は本当に辛いものです。逃げられない現実に必死で立ち向かおうとするあまり心を病んでしまう学生もいます。お子さんの言葉が本当の気持ちなのかそうでないものなのかを,いかにして判断するのかは本当に難しいと思います。

進路相談をする17歳や18歳のときには,すでにコミュニケーションのカタチが決まってしまっているでしょう。それまでのコミュニケーションの在り方によって,すでに親子関係がどのようなものなのか決まっていて,それを壊すことは容易ではありません。

もしもお子さんの意見に耳を傾けていないなぁと感じることがあれば,僕たち親にできることは「子どもはすでにひとりの人間で,自分と同じ対等な存在なのだ」と理解し直すことです。子どもたちとてもコミュニケーションの機微を無意識に理解していますから,空気を読んだり,本当は嫌なのにお父さんやお母さんの顔色を見て自分の選択を曲げたりします。

それ自体が悪いことというわけではないのでしょうけれど,その頻度が上がれば上がるほど,自分の選択に自信がもてなくなってくるのは自明でしょう。

自分で選択して,自分で決断する。
そしてその結果をしっかりと責任をもって受け入れてくれるために,僕らはどのようなサポートをすれば良いのでしょうか。

永遠のテーマのようにも感じますね。

< ブログ一覧ページに戻る

上矢印