リスニングが始まると、最初は聞けるのに途中で置いていかれる。知っている単語が聞こえた気がするけれど、話の内容は分からない。そんなとき、「もっと長く英語を流そう」と考えていませんか。
聞く時間を作ることは大切です。ただ、分からない理由を確かめずに同じ音声を流し続けても、どこを直せばよいか見えにくくなります。まずは教科書の短い一文で、自分が止まる場所を探しましょう。
聞き取れない理由を三つに分ける
最初に、音声に対応する英文を見ます。音声の内容を書いたものを「スクリプト」と呼びますが、教科書本文を使っても構いません。
その文を読んでも意味が分からないなら、まず単語や文の形を確認します。目で読んで分からない文を、耳だけで理解するのは難しいからです。
読めば分かるのに聞こえない場合は、文字と音がつながっていない可能性があります。単語は聞こえるけれど文の意味が追いつかないなら、まとまりごとに内容を受け取る練習を試します。三つが混ざっていても大丈夫です。
最初の教材は、習った教科書の短い音声
最初から映画や長いニュースを選ぶ必要はありません。学校で習った教科書の公式音声など、英文と正しい音が両方そろう教材を使います。利用方法は、教科書の案内や先生に確認してください。
一回の練習は一文から三文程度。ほとんどの単語を知っていて、読めば大体意味が分かる部分が目安です。難しい語ばかりなら、少し前のページへ戻ります。
聞き流すための長い音声より、「聞く、文を見る、もう一度聞く」を行いやすい短さを選びましょう。自分で止めたり戻したりできると便利です。
手順1 文字を見ずに一度聞く
一度目は全文を書き取ろうとせず、「誰が、何をする話か」を考えます。例えば、次の英文が流れたとします。
I play tennis after school.
「私が、放課後にテニスをする」と分かれば、最初の確認は十分です。すべての音を同じ強さで聞き分けることが目的ではありません。
分からなかったら、聞こえた単語だけ残します。「tennisは分かった」「schoolらしい音があった」でも構いません。二度目も聞いて、どこまで分かるか確かめます。まだ分からない部分は、次の手順で確認します。
手順2 英文を見て、止まった場所を探す
英文を開き、聞こえなかったところに線を引きます。その語を知らなかったのか、知っていたのに音が違って聞こえたのかを考えます。
英語では、語と語の音がつながったり、強く読まれない語が短く聞こえたりします。単語帳で一語ずつ聞く音と、文の中の音が違って感じられることがあります。
例えば「after school」を一つのまとまりとして聞き直してみます。無理にカタカナへ直すより、文字を見ながら実際の音を二回ほど確かめてください。音の変化は話し手や速さでも変わるので、一つのカタカナ表記を正解として覚える必要はありません。
手順3 音声を止めて、一文をまねする
音声を一文流したら止めて、自分でも言ってみます。最初は英文を見ながらで大丈夫です。速さについていくことより、語の順番と、強く聞こえるところをまねします。
長ければ「I play tennis」「after school」のように、意味のまとまりで区切ります。前半は「私はテニスをする」、後半は「放課後に」。内容が分かる状態で声に出してください。
言いにくいところは、もう一度音声を聞きます。発音がそっくりにならなくても失敗ではありません。どの文字がどんな音になっていたかを、自分の口でも確かめる練習です。
手順4 英文を閉じて、内容を答える
最後に英文を隠し、同じ音声を聞きます。「何をする?」「いつする?」と、自分で質問して答えてみましょう。きれいな日本語訳を全文言う必要はありません。
先ほどの例なら、「テニス」「放課後」と答えられれば、その情報は取れています。逆に英文を口で言えても、内容が分からなければ意味の確認へ戻ります。
同じ文を繰り返すと内容を覚えるので、翌日は別の短い文でも試してください。初めて聞く文でも同じ確認ができるかを、少しずつ見ていきます。
一日10分なら、この配分で
最初の二分は文字なしで聞きます。次の三分で英文を見て、分からなかった語や音を確認します。その次の三分は、音声を止めながら声に出します。最後の二分で文字を隠し、内容を答えます。
無理なくできる文なら次へ進み、読んでも難しい文なら戻ります。時間配分は目安なので、英文の確認に時間がかかる日は一文だけで終えて構いません。
記録するのは「十回聞いた」だけでなく、「after schoolが聞こえた」「誰の話か分かった」のような小さな変化です。次に同じところで止まったときの手がかりになります。
テストでは、先に何を聞くか確認する
問題用紙を読む時間がある形式なら、設問と選択肢に目を通します。時刻を選ぶのか、場所を選ぶのか、話し手の予定を選ぶのかを確かめます。実際のテストの指示には従ってください。
時刻を聞かれているなら、数字だけでなく「何の時刻か」に注意します。集合が九時、出発が九時半なら、聞こえた最初の数字が答えとは限りません。
一語分からなくても、その語を考え続けて次の文を逃さないようにします。いったん置いて、次の内容を聞く練習も必要です。二回放送されるなら、一回目で話の流れ、二回目で迷った情報を確認する、と役割を分ける方法もあります。
書き取りと追いかけ読みは、必要なところだけ
聞いた英文を書き取る練習は、聞けなかった部分を見つけるのに使えます。ただし、内容は分かっていても、つづりで止まることがあります。書けなかっただけで「全部聞けていない」とは決めないでください。
音声のすぐ後を追って発音する練習もありますが、難しければ一文ごとに止める方法からで十分です。意味が分からないまま速く口を動かすことを、目標にはしません。
英語の文そのものが読みづらい場合は、主語と動詞を見つける読み方へ戻ると、確認する場所を絞れます。
今日の一文を決めよう
学習全体の進め方は、安城市の中学生向け英語学習ガイドにもまとめています。
リスニングを始めるときは、「読んでも分からない」「音が分からない」「意味が追いつかない」のどこで止まるかを見ます。そして短い一文で、聞く、確かめる、まねする、もう一度聞く、と進めてください。
まず教科書の習ったページを一つ開き、音声を探してみましょう。英語全体の戻り方は英語の勉強を始める順番、教室での学習は入試準備ゼミでも案内しています。