「わかっていたのに、また符号を間違えた」。答案が返ってくるたびに、同じことを言っていませんか。
次は気をつけようと思っていても、テストになると同じ場所で間違える。そんなときは、途中式に残す情報を変えてみます。
どの行で何を変えたかが見えると、解いている途中でも、答え合わせの後でも間違いを探しやすくなります。この記事では、正負の数・分配法則・移項を例に、自分で確認する手順を紹介します。
「ケアレスミス」の中身を分ける
同じ不正解でも、次の3つでは直し方が違います。
- 写し間違い:問題の−3を+3と書いた
- 手順の抜け:かっこの後ろの項に数を掛け忘れた
- 理解の混乱:負の数を引くとき、なぜ足し算になるかわからない
最初の二つは、書き方や確認する位置を変えるところから始められます。三つ目は、計算の意味をもう一度確認する必要があります。
「これはどうしてこの符号になるの?」と聞かれて説明できない場合は、ただのうっかりと片づけず、例題へ戻ってください。
1行では一つの操作をする
頭の中で、かっこを外し、移項し、割り算まで一度に進めると、間違えた場所が残りません。
練習の最初は、一つの行で行う操作を絞ります。たとえば、かっこを外す行、項をまとめる行、両辺を割る行を分けます。
毎回あらゆる計算を細かく書く必要はありません。まずは自分が繰り返し間違える操作の前後を、省かず残します。安定して解けるようになった部分は、書く量を調整できます。
例1:負の数を引くときは、足す形を一度書く
−3 − (−5) を計算してください。
答えを−8にしてしまうなら、負の数を引く操作を飛ばさず書きます。
−3 − (−5)
= −3 + 5
= 2
確認する場所:かっこの中の−5が、足す形では+5になっているか。
「マイナスが二つあるからプラス」とだけ覚えると、−3+(−5)でも混乱しやすくなります。何を引いているかを見ます。
−3+(−5)なら、負の数を足しているので答えは−8です。二つの式を並べ、かっこの前の記号が違うことを確認してください。
例2:分配法則は、かっこの中の全部に掛ける
−2(3x − 4) を展開してください。
−6x−8と書いた場合、後ろの掛け算の符号を確認します。
−2(3x − 4)
= (−2)×3x + (−2)×(−4)
= −6x + 8
確認する場所:掛け算が2回あるか。後ろは「負×負」になっているか。
かっこの中を「3x」と「−4」の二つの項として見ます。4だけを取り出すと、もとの符号が落ちてしまいます。
最初のうちは、掛ける先の二つの項に小さな印をつけても構いません。計算後に印が二つとも使われているか確認します。
例3:移項で迷ったら、両辺への操作に戻る
3x − 7 = 11 を解いてください。
3x=11−7としてしまったら、「移すと符号が変わる」という決まりだけで処理しているかもしれません。
左辺の−7をなくすため、両辺に7を足します。
3x − 7 + 7 = 11 + 7
3x = 18
x = 6
確認:もとの式へ6を入れると、3×6−7=11。
移項は、この操作を短く書いたものです。符号を間違えるときは、何を両辺に足したか、引いたかを一度書いて確かめます。
見直しでは、同じ読み方を繰り返さない
答えを出した後に同じ式を眺めても、最初と同じ思い込みで通過することがあります。確認する場所を決めておくと、見直しの行動が具体的になります。
- 問題から写した数字・符号を、問題文と照らす
- かっこを外した行で、すべての項に掛けたかを見る
- 移項した行で、もとの式と符号を比べる
- 方程式なら、答えをもとの式へ代入する
代入は、計算した答えがもとの条件を満たすかを調べる確認です。式を立てるところから間違っていた文章題では、問題文との照合も必要です。その手順は式を立てる4つの確認で紹介しています。
今日の練習は3問だけ
紙に途中式を書いて解いてください。答えだけでなく、上で示した確認場所を自分で指せるかを見ます。
- −4 − (−9)
- −3(2x − 5)
- 4x − 9 = 15
答えと確認する場所
1:−4+9=5。負の数を引く操作を、足す形に直します。
2:−6x+15。−3×2xと、−3×(−5)の2回の掛け算です。
3:4x=24、x=6。両辺に9を足します。4×6−9=15で確認できます。
間違えた問題には、「符号に注意」より具体的に、「かっこの後ろの項に掛け忘れた」のような一言を残します。翌日は同じ種類の問題を一つ解き、その一言を使って自分で確かめます。
保護者は「どの行で変わった?」と聞く
答案を見て「また不注意だね」と言っても、次に何を変えるかは決まりません。
「どの行までは合っている?」「その次の行で、何をした?」と一緒に追ってみてください。式が残っていれば、本人も説明しやすくなります。
途中式を書いても同じ操作で止まる場合は、その単元の説明を受ける機会を作ります。間違いの数だけで、やる気や能力を決めつけないことも大切です。
中学数学全体の学び方は、安城市の中学生向け数学ガイドで案内しています。まずは今日間違えた一問の途中式に、確認する場所を一つ残してみてください。