中学3年生の夏休み。「そろそろ高校受験に向けて英語を勉強しなければ」と思っても、何から始めればいいのかわからないという人は少なくありません。
英単語を覚えるべきなのか。長文問題をたくさん解くべきなのか。それとも、中1・中2の英文法からやり直すべきなのか。
中3の夏休みの英語で大切なのは、いきなり入試問題をたくさん解くことではありません。
まずは、中1・中2で習った英語の基礎がどこまで身についているかを確認することです。
この記事では、中3の夏休みに英語を勉強するときの順番と、高校受験に向けて何を優先すればよいのかを解説します。
中3の夏休みは英語をやり直す最後の大きなチャンス
中3の夏休みは、高校受験に向けて英語の基礎を整理する非常に重要な時期です。
2学期になると、学校では中3の新しい文法を学びながら、定期テスト対策や入試対策も進んでいきます。
その状態で、
- 三単現のsがよくわからない
- 過去形と現在形が混ざる
- 疑問文の作り方に自信がない
- be動詞と一般動詞の区別があいまい
- 英文を自分で作ることができない
といった中1・中2内容のつまずきが残っていると、新しい内容を理解するだけでも大変になります。
だからこそ夏休みは、先へ急ぐよりも、一度これまでの学習内容を確認することが大切です。
「中3だから中3の問題をやる」だけでは足りない
受験生になると、どうしても「入試問題を解かなければ」と考えがちです。
もちろん入試問題を解く練習も必要です。
しかし、中1・中2の英文法が十分に身についていない状態で長文問題や入試問題を繰り返しても、なかなか点数は安定しません。
たとえば、
He plays tennis every Sunday.
という英文を見て意味はなんとなくわかっても、
「なぜplayではなくplaysなのか」
を説明できないのであれば、三単現の理解が十分ではない可能性があります。
読めることと、文法を理解して使えることは、必ずしも同じではありません。
中3の夏休みの英語は何から勉強すればいい?
おすすめの順番は次のとおりです。
- 中1・中2英文法の確認
- 基本英単語の確認
- 短い英文を作る練習
- 英文読解
- 入試問題
特に大切なのが、最初の英文法の確認です。
まず中1・中2の英文法を確認しよう
中学英語では、あとから習う文法の多くが、それまでに習った内容を前提にしています。
そのため基礎部分に抜けがあると、中3内容だけを勉強しても理解しにくくなります。
まず確認してほしいのは、次のような内容です。
be動詞と一般動詞
次の2文の違いを説明できるでしょうか。
I am busy.
I play soccer.
どちらも中1で習う基本的な英文ですが、疑問文や否定文の作り方は異なります。
Are you busy?
Do you play soccer?
ここが混ざってしまうと、その後の英文法でも間違いが増えていきます。
三単現
I play tennis.
に対して、
He plays tennis.
となる理由を理解しているでしょうか。
三単現は単に「sをつける問題」ではありません。
主語を見て動詞の形を決めるという、英文を作るうえで非常に大切な考え方が含まれています。
過去形
I play tennis.
I played tennis yesterday.
のように、いつの話をしているのかによって動詞の形が変わります。
英語では時制と動詞の形が強く結びついています。
過去形があいまいなままだと、現在完了などを学ぶときにも混乱しやすくなります。
疑問文・否定文
次の英文を、自分で疑問文や否定文に変えることができるでしょうか。
Tom plays soccer.
疑問文なら、
Does Tom play soccer?
否定文なら、
Tom does not play soccer.
となります。
このとき、
Does Tom plays soccer?
としてしまう場合は、三単現を「playsという形だけ」で覚えている可能性があります。
do、does、didと動詞の関係まで理解しておきたいところです。
英単語は「覚えていないもの」を優先する
英文法と並行して、英単語も増やしていきましょう。
ただし、中1の単語帳の最初から全部書き直す必要はありません。
まずは、
知っている単語と知らない単語を分ける
ことから始めます。
すでに覚えている単語に何度も時間を使うよりも、覚えていない単語を優先したほうが効率的です。
英単語は日本語だけでなく英文でも確認する
たとえば、
important = 重要な
と覚えるだけでなく、
English is important for me.
のように英文の中でも確認すると、使い方まで覚えやすくなります。
単語だけをバラバラに暗記するより、短い英文の中で確認していくのがおすすめです。
短い英作文をしてみる
英文法を本当に理解しているか確認するには、英作文が役立ちます。
たとえば、
「私は毎日英語を勉強します。」
を英語にすると、
I study English every day.
です。
では、
「彼は毎日英語を勉強します。」
ならどうでしょう。
He studies English every day.
になります。
さらに、
「彼は毎日英語を勉強しますか。」
なら、
Does he study English every day?
です。
こうして主語や時制、肯定文・疑問文などを変えながら英文を作ると、文法を本当に理解しているかが見えてきます。
問題集では正解できるのに英作文ができない場合
学校のワークや定期テストでは点数が取れていても、ゼロから英文を作ろうとすると難しいという中学生は珍しくありません。
選択問題や並べ替え問題では、問題文の中にヒントがあります。
一方、英作文では、
- 主語は何か
- 動詞は何か
- 時制は何か
- 動詞の形はどうするか
を自分で判断しなければなりません。
そのため、英作文は理解度を確認するのに適しています。
長文問題は「たくさん読む」前に文の構造を見る
高校入試では長文読解が重要になります。
だからといって、夏休みから長文問題を何十題も解けばよいとは限りません。
まずは一文ずつ、
誰が・どうする・何を
という英文の骨格を確認しながら読むことをおすすめします。
たとえば、
My brother plays soccer after school.
なら、
- 主語:My brother
- 動詞:plays
- 目的語:soccer
- after school:いつ行うのかを説明
という構造になっています。
英文が長くなっても、基本となる構造は同じです。
長い英文ほど「かたまり」を分ける
たとえば、
The boy playing soccer in the park is my brother.
という文では、
The boy
が中心となり、
playing soccer in the park
がそのboyについて説明しています。
英文を最初から最後まで日本語の語順に直そうとするのではなく、どの言葉がどの言葉を説明しているのかを確認する習慣をつけると、長文も読みやすくなります。
中3の夏休みに入試問題ばかり解かなくてもいい
夏休みになると、過去問や入試レベルの問題集を始める人もいます。
もちろん、現在の実力を確認するために入試問題を解いてみるのはよいことです。
ただし、正答率が低かった場合、
入試問題をもっと解く
ことだけが解決策ではありません。
たとえば長文問題を間違えた理由が、
- 単語を知らなかった
- 過去形を理解できなかった
- 不定詞がわからなかった
- 主語と動詞を見つけられなかった
のであれば、必要なのは長文問題の追加ではなく、それぞれの基礎内容の復習です。
間違えた問題そのものより、
なぜ間違えたのか
を確認することが重要です。
中3の夏休みにおすすめの英語勉強スケジュール
夏休み中に毎日長時間英語だけを勉強する必要はありません。
たとえば1日60分なら、次のように分けることができます。
20分:英単語
覚えていない単語を中心に確認します。
一度で完璧に覚えようとせず、何度も繰り返しましょう。
20分:英文法
その日に取り組む文法テーマを1つ決めます。
たとえば、
- 月曜日:be動詞
- 火曜日:一般動詞
- 水曜日:三単現
- 木曜日:過去形
- 金曜日:疑問文・否定文
という形でも構いません。
20分:英文を読む・作る
その日に復習した文法を使った英文を読んだり、自分で英文を作ったりします。
「文法問題を解いて終わり」にせず、実際の英文の中で使うことがポイントです。
夏休みの終わりまでに目指したい状態
中3の夏休み終了時点で、英語を完璧にする必要はありません。
目標にしたいのは、
中1・中2の基本文法について、大きな穴がない状態
です。
たとえば、
- be動詞と一般動詞を区別できる
- 三単現を使える
- 過去形を使える
- 疑問文・否定文を作れる
- 助動詞を使える
- 比較表現を理解している
- 不定詞や動名詞の基本がわかる
- 短い英文を自分で作れる
といった状態です。
ここまで整っていれば、中3後半の学習や高校入試対策にも入りやすくなります。
自分がどこでつまずいているのかわからない場合
英語が苦手な人ほど、
「どこからわからなくなったのかわからない」
という状態になりやすいものです。
中3だから中3の内容だけを復習すればよいとは限りません。
中2内容につまずきがあると思っていたら、実は中1の一般動詞から理解があいまいだった、ということもあります。
逆に、中1・中2の基礎が十分にできているなら、必要以上に最初からやり直す必要もありません。
大切なのは、
今の自分に必要なところを見つけること
です。
理解できているところと、まだ不安定なところを分けてから勉強すると、夏休みの時間を効率よく使えます。
まとめ:中3の夏休みは英語の基礎を整理しよう
中3の夏休みに英語を勉強するときは、いきなり入試問題や長文問題ばかりに取り組む必要はありません。
まず、
- 中1・中2の英文法を確認する
- 覚えていない英単語を復習する
- 短い英文を自分で作る
- 文の構造を意識して英文を読む
- 基礎が整ってから入試問題へ進む
という順番がおすすめです。
高校受験が近づくと、どうしても「難しい問題をやらなければ」と焦ってしまいます。
しかし、英語では基本的な文の作り方が理解できていることが、その後の長文読解や入試問題にもつながります。
夏休みは、これまで勉強してきた英語を一度整理し、2学期以降の受験勉強につなげる期間として使ってみてください。