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ミライデザインラボ

室長ブログ

勉強しなさいと言う前に、親が見たい3つのポイント

「勉強しなさい」

親であれば、一度は言ったことがある言葉かもしれません。言いたくて言っているわけではない。できれば言いたくない。でも、目の前で子どもがスマホを見ていたり、宿題に手をつけていなかったり、テスト前なのにのんびりしていたりすると、つい口から出てしまう。

そして、多くの場合、この言葉はあまり効きません。

子どもは「わかってる」と言う。あるいは、黙る。不機嫌になる。部屋に入ってしまう。親はさらに心配になり、また声をかける。すると、子どもはますます動かなくなる。

このやりとりが続くと、家庭の中で「勉強」は、学びの話ではなく、親子の対立のきっかけになってしまいます。

もちろん、勉強しなくていいという話ではありません。むしろ、勉強は大切です。けれど、子どもが動かないときに、最初に見るべきなのは「やる気があるかどうか」ではないと思っています。

親が「勉強しなさい」と言う前に、一度見ておきたいポイントがあります。

1つ目は、「何をすればいいか」が本人に見えているか

子どもが勉強していないように見えるとき、大人はつい「やる気がない」と判断しがちです。でも、実際には、何をすればいいかわかっていないだけのことがあります。

机に向かったとしても、英語のワークを開くのか、数学の間違い直しをするのか、漢字を覚えるのか、テスト範囲を確認するのか。その最初の一手が見えていない。

子どもにとって「勉強する」は、意外と大きすぎる言葉です。

大人で言えば、「仕事しなさい」と言われるようなものです。そう言われても、メールを返すのか、資料を作るのか、会議の準備をするのか、優先順位を決めなければ動けません。

子どもも同じです。

特に勉強が苦手な子ほど、「今日はこれをやればいい」という具体的な行動にまで分解できていないことが多いです。だから、本人も困っている。でも、それをうまく説明できない。結果として、スマホを見たり、だらだらしたり、後回しにしたりする。

このとき必要なのは、叱ることではなく、行動を小さくすることです。

「何からやる予定?」
「今日のテスト勉強で、まず確認するならどこ?」
「10分だけやるなら、どれにする?」

こういう声かけの方が、「勉強しなさい」よりも動きやすくなります。子どもに必要なのは、気合いではなく、入口が見えることです。

2つ目は、「わからない」が積み上がっていないか

勉強しない子の中には、単純にサボっているのではなく、「やってもわからない」状態になっている子がいます。

これはかなり苦しい状態です。

ワークを開く。問題を見る。何を聞かれているのかわからない。解説を読んでもわからない。授業ではなんとなく聞いていたけれど、自分で解こうとすると手が止まる。そうなると、勉強そのものが嫌になります。

大人でも、読めない説明書を前にして「さあ、毎日がんばりなさい」と言われたら、かなりしんどいはずです。

子どもが勉強を避けているとき、親が見たいのは「サボっているか」ではなく、「どこで止まっているか」です。

英語なら、単語が覚えられていないのか。文の作り方がわからないのか。be動詞と一般動詞が混ざっているのか。数学なら、計算で止まっているのか。文章題の意味が取れないのか。図や条件の整理ができないのか。

同じ「できない」でも、原因はまったく違います。

ここを見ないまま「もっと勉強しなさい」と言っても、子どもは同じところで何度もつまずきます。そして、だんだん「自分は勉強ができない」と思い込んでしまう。

本当に大事なのは、勉強時間を増やすことより先に、つまずきの場所を見つけることです。

努力が足りないのではなく、努力が届かない場所に向かっていることがある。ここを見落とすと、親も子も疲れてしまいます。

3つ目は、「自分で決める余地」が残っているか

親が心配になるほど、子どもへの指示は増えます。

「先に宿題をやりなさい」
「スマホはあとにしなさい」
「英語からやりなさい」
「何時までに終わらせなさい」

どれも、親としては当然の声かけです。けれど、指示が増えすぎると、子どもは自分で考える機会を失っていきます。

そして、勉強が「自分のこと」ではなく、「親に言われてやること」になってしまう。

この状態になると、子どもは動いたとしても受け身です。親が言えばやる。言わなければやらない。叱られたくないからやる。終わったふりをする。とりあえず机に向かう。

これでは、なかなか自立した学習にはつながりません。

もちろん、完全に子ども任せにすればいいわけではありません。まだ計画を立てる力が育っていない子に、「全部自分で考えなさい」は乱暴です。

大切なのは、親が枠をつくり、その中で子どもに選ばせることです。

「今日は英語と数学、どっちからやる?」
「夕食前にやる?それとも夕食後に30分やる?」
「わからないところを一緒に確認する?それとも先に自分で解いてみる?」

選択肢があると、子どもは少しだけ自分の行動として受け取りやすくなります。

勉強に向かう力は、命令で育つというより、「自分で決めた」という小さな経験の積み重ねで育っていきます。

「勉強しなさい」の前に、状態を見る

親が子どもに勉強してほしいと思うのは、自然なことです。将来困ってほしくない。できることを増やしてほしい。自信を持ってほしい。その願いがあるからこそ、つい口を出したくなる。

けれど、子どもが動かないときには、必ず何かしらの理由があります。

何をすればいいかわからないのかもしれない。
わからないことが積み上がっているのかもしれない。
自分で決める余地がなくなっているのかもしれない。

そこを見ずに「勉強しなさい」だけを重ねても、親子の関係は苦しくなり、勉強への抵抗感も強くなってしまいます。

必要なのは、甘やかすことではありません。放っておくことでもありません。

子どもの今の状態を見て、必要な支え方を変えることです。

すぐに机に向かわせることよりも、まず「どこで止まっているのか」を見る。勉強量を増やす前に、「何をどうすれば進めるのか」を一緒に整理する。

それだけで、子どもの反応が変わることがあります。

勉強は、親子で戦うものではありません。

子どもが自分の足で進めるようになるために、今どこでつまずいているのかを見つける。その視点を持つだけで、「勉強しなさい」の意味は、少し変わってくるはずです。

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