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ミライデザインラボ

室長ブログ

教えない塾は何をするのか。

教えない学習塾,というキーワードが最近よく目にとまります。

センセーショナルなそのワードに,僕の中の何かがゾワゾワと反応するのです。学習塾なのに教えないのかよ,みたいな。

僕の学習塾も「教えない」と謳ってます。

とりわけ高校生には本格的に教えません。
正確には「僕には教えられません。」なのですが,これにはいくつかの考えがあります。
(そもそも勉強を教えたくて学習塾を開いたわけではないので,僕の場合はちょっと特殊かもしれませんが)

ひとつは,単純に僕の能力不足という意味です。

大学受験に派手に失敗した僕が,たとえば難関大学の受験のための勉強を教えるなんて恐れ多いですし,そのための学習もしていないので,せいぜいいっしょに考えてあげることぐらいしかできません。
なのでそうしているだけです。

一方でまぁ教えられる先生を雇用すればこの問題は解決するので,ラボでは「教える」がどうしても必要な場合は,必要に応じて教えられる先生にお願いをしています。

ふたつ目に,高校生の学習は「誰かに手取り足取り教わるものではない」からです。

高校生が学習塾にあまり通っていないのは,大学合格を目指す高校生であればほとんどの場合すでに自分の学習スタイルを確立していることから,わざわざ学習塾に通う意義が少ないと考えるからではないでしょうか。

厳しいことを言うなら,「教科書を読んでもわからない」レベルでは本格的な受験勉強をスタートさせることはできませんから,もしもそのレベルなら家庭教師とかマンツーマン学習塾を選択すべきです。

みっつ目は,大学受験生に必要なのはマネジメントで,個別具体な指導ではないと考えていることです。
ここで言うマネジメントは環境整備と,方策の検討,計画と実行,進捗管理,効果測定と改善検討です。

大学受験に必要なのは,優秀なパートナーです。
道順をアシストし,必要な情報を収集できるナビゲーターです。
そのために必要なスキルは,コーチングスキルであり,コンサルティングスキルでもあります。

それも「ポジティブシンキング」とか「褒めて伸ばす」とか,そういうキラキラしたワードが先行するようなコーチングではなくて,ビジネスシーンで用いられる企業エグゼクティブ向けの本格コーチングです。

このようなことが許されるようになった背景には,高校生が自分で学習を進められるような大きな技術革新があります。

いいえ,ひとりで学習するための仕組みならもっと昔からありましたから,今はもっともっとひとりで学習するための便利で,素晴らしい仕組みがどんどん増えているということです。

中でも特筆すべきは,一昔前の予備校のようなわかりやすい,教科書や出題ポイント,過去問題,の解説授業を不要にさせた技術の革新,すなわちネット配信動画です。

世に出回る参考書にも多くの場合動画解説がついています。
あまつさえ,YouTubeでは無料で予備校のカリスマ講師級の解説が受けられます。しかも欲しいところピンポイントでもらえます。

はっきり言いましょう。
僕が塾でシコシコ授業するよりも,YouTube 動画探した方が100番てっとり早く,100倍わかりやすくて,100倍楽しく学習できるのです。

(この時,たとえば僕に「ではもっと楽しくためになる授業をやるような努力が必要ではないのか?」という疑問が湧かないのか,というと湧かないわけではありませんが,これはもう誰でも無料で使えるのだから利用しない理由がないということと,棲み分けすることで僕は僕の得意を活かすことができるとポジティブに捉えています。)

必要なところを無料で,ピンポイントに。
5分程度の解説がたくさん出回っていて,自分にあう動画を探すこともできますし,探す手間もそんなにありません。勝手に関連動画を集めておすすめしてくれますし,早送り再生で効率よく学ぶこともできます。受動的な学習であるという意味で懸念はありますが,それを除けばこれほど便利なものはありません。

したがって,大学受験を目指す高校生に必要な能力は,この受動的な学習を自在に操ることができる,という一点に集約されると言っても過言ではありません。

じゃぁ「教えない学習塾」は何をするのか。

教えない学習塾のコンセプトは様々なので,何に重きを置くのかは個々の塾長によって異なるでしょう。
大切なのは先に述べたとおりマネジメントです。
しかしマネジメントは「管理」ですが,一方的な管理ではありません。コーチングマネジメントは日本語の「管理」とはハッキリ異なります。

主体はあくまでもクライエントである受験生。
彼らが主導を握り,彼らの意志でマネジメントはすすめていくべきだと僕は考えています。

受動的な学習だけでは,将来頭打ちするのではなかろうかと不安に思っているのです(事実,そういう学生たちを僕は大学でたくさん見てきました)

したがって,僕のめざす大学受験生向け1on1コーチングでは,一番最初に目標をしっかり決めるところからスタートします。
教えない学習塾は,「問題の解き方」を教えませんが,目標設定の方法やそれに向けて計画を共にたて,その実行に伴走します。困ったことがあれば,いっしょに困り,その解決策を探します。

長い受験ロードに必要なのは決してひとりではないという安心感。
共に戦い続けるパートナーの存在。

セコンドで勝利を信じて応援し続けるコーチのマインドセットそのものが受験生のための1on1コーチングの肝です。

まぁとはいえ
手取り足取り教えてくれる家庭教師が必要だと言うひともいて当然です。

僕は勉強というのはいつかどうせひとりでやらなくてはいけないものだと思っているので,早い段階でメンターを見つけて,もっと大きな意味での学び方を指導してもらう,相談にのってもらうほうがいいと思っています。

いつでも困った時に相談する相手がいるというのは本当に心強いものです。自分が行く先を間違えずに済むからです。

地図を示してくれる先生と,コンパスとなってただ正しい方角だけ指し示してくれる先生がいるとしたら,僕はまちがいなく後者を選択します。地図は現実を模写しているかもしれませんが,現実とは異なります。地図で繋がっている道が,実は行ってみたら工事中だったとか,今はもう使われていないとか,そういうことはざらにあります。

しかしコンパスが間違うことはないでしょう。
目指すべき目的さえ間違えなければ,いつか必ずたどり着くことができます。ただひたすらに愚直に進み続けることが成功への近道だと信じます。

そのとき,誰か見守ってくれるひとがいたなら,安心してまっすぐに歩いて行ける,と思っています。

僕の「教えない学習塾」は,コンパスでありたいと願っています

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