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ミライデザインラボ

室長ブログ

たとえば小学生と中学生向けに「コーチング学習塾」という新しいカテゴリの塾を考えてみたら思いの外,google先生にも響いた話。/ミライデザインラボ安城

こんにちは。ミライデザインラボ室長です。

コーチングを謳っている 学習塾 は案外多いです。
一方で,多くの学習塾さんではプロコーチとしてコーチングをしっかりと学んでいるかというとたぶんそうでもなくて,だから本格的な「コーチング」というか,「コーチング的な関わり方」を実践しているのではないかなと感じています。

それで,「コーチング学習塾 ミライデザインラボ」
という新しそうなカテゴリを考えて,google先生に聞いてみたところ思いの外,マッチするWEBSITEがたくさんあってコーチング学習塾でも後発なのな,と若干がっかりした半面,社会のニーズはすぐそこまで来ているかなーと勇気ももらえました。

学習要領の改訂で
「論理思考」や「表現力」,「問題解決能力」などいわゆる「生きるチカラ」が教育というカテゴリでもついに重視される時代が来ました。

高校入試や大学入試も少しずつ改革が進んでおり,答えのない問題が出題されるにまでいたっています。

自分で考え,自分で決断し,自分の判断に自信をもって,その判断に責任を持つ。実践するのは簡単ではありませんが,これを知っていることと,知らないことでは10年後には大きな差がつきます(大人でもできてないひとはたくさんいます)。

かの超ベストセラー「7つの習慣」では第1の習慣として
(参考:「7つの習慣J」 https://www.7hj.jp/about/

「主体的である」

と掲げています。すべての習慣の基礎となる「主体性」これこそ今の日本の教育に必要なものです。
無意識に他人のせいにしてあたかも自分には何もする余地がなかったようにふるまっているだけでは,何も変わりません。できることは必ずあります。他はどうあれ,自分ができることをするというのは,自分の人生に対する責任です。自分が何かすることでわずかでも変化が起きます。あるいはそれは大きなうねりになるかもしれません。いいえ何も起きないかもしれませんが,少なくともわずかながら確率をあげるのは間違いありません。

主体性をもって自身の責務をまっとうする。
コーチング学習塾でもっとも教えたいことはこれにつきます。

ところで,巷でよく見かける褒める教育,褒めてのばす,自己肯定感を上げる,みたいな関わりは実はコーチング的ではありません。コーチングの基本スキルである「承認する」という行為は,褒めたり,同調したりするものではなく「ジャッジしない」のが大前提だからです。他者の考え方や認知の仕方を評価してしまえば,これはもうコーチ軸のものになってしまい,クライエント自身の純粋な価値観を薄めてしまうおそれがあります。

「あなたは間違っている!」という評価と「あなたは正しい!」という評価,厳密にはいずれの評価もコーチングには不要なのです。

ただ肯定的な関わりであることには間違いなく,あらゆる感情や考え方を肯定的に受け止めることが必要です。なぜなら「でも」「だけど」という接続詞でクライエントの考えを評価することは勇気くじきになるだけでなく,コーチとクライエントの信頼関係(ラポール)を崩しかねない危険な行為だからです。
肯定的な関わりというのは,否定せずにまずは受け止める,肯定的に受け止めるという意味です。近代カウンセリングの父カールロジャーズの「来談者中心療法」には以下の3原則があり,カウンセラーはこの3つの態度をもってカウンセリングにのぞむことが必要とされています。

・共感的理解
・無条件の肯定的配慮
・自己一致

細かい説明は専門のサイトにゆずりますが,無条件の肯定的配慮というのがコーチングスキルでいう「承認」スキルに相当します。

クライエントの考えや価値観は,いくら他者が「適切でない」「それではいけない」「もっと大人になれ」と否定したとしても,それがいかに正しくとも,元来「否定」できるものではありません。そのような考えをもってしまったこと,感じてしまったこと,はどうあれそこに事実として存在するのですから,その存在は承認し,尊重するのが自然なのです。

他方,「そうか,それは許せないね!僕でも腹が立つよ!」と同調してしまったり,「忘れ物しなかったなんてすごいね!すごいね!」と褒めることは,クライエントの考え方や存在を尊重し,認めることとは違って,共感的理解を超えてコーチ自身が我を忘れて(俯瞰できていない)しまっていること,自己一致せず,白々しくなったり,お世辞に聞こえてしまうことになります。褒められることが目的化してしまえば,求めるベクトルが変わるだけでなく,賞罰はいずれエスカレートすることになりますので,これでモチベーションが維持されることはありません。

褒めることも,叱ることも,勇気くじきにつながるのです。

たとえば子どもたちが「自分の能力」と「ハードル」を天秤にかけて,能力よりもずっと低いハードルを超えた時に褒められたとすれば,彼らはいったいどう感じるでしょうか。
私たちは「上司」や「自分よりも技能が高い人」に対して安易に褒めるでしょうか。上司が”新入社員の自分が犯した初歩的なミス”をすることなくスムーズに仕事を完遂したときに「すごいですね!課長。」なんて言っては失礼にあたりますね。

そういう意味で,褒めるという行為は,叱ったり否定したりすることに対して,逆側(+側)に振れているという違いはありますが,根本的には叱ったり,否定したり,説得したりすることと似たり寄ったりであるとコーチングでは考えます。

ただ,絶対に褒めてはいけないということでもないのです(ややこしい!)。来談者中心療法の3原則に照らせば,自己一致した感嘆による褒めはコーチングセッションでもよく見られます。
たとえば,子どもが足し算を間違えずにできたとき「すごいね!」と思わず言ってしまいますが,この「すごいね!」は前提として「子どもは足し算ができないと考えている」ことを含んでしまいます。
一方で大人である自分ができなかった複雑な四則演算を子どもが間違うことなくクリアしたときにでる「すごいね!」は純粋な尊敬を含んでいるものです。
このような純粋な自分(自己一致している)から発せられるものはポジティブに受け止めてOKです。

コーチングセッションで時折出る

なるほど!それグッドアイディアですね!
僕は全然気が付きませんでした!

といった心からの称賛は,クライエントに勇気を与えるでしょう。

コーチングは日本ではまだ未成熟というか,体系だって理解,実践するものになっていなくて,なんとなくこんな感じ?みたいに実践されているのが本当のところです。

これはたぶん「カウンセリング」が浸透していかないのと同じような理由ではないかと思うのですが,第一にコーチング資格はいわゆる民間資格なので,それこそコーチとしての能力というかコーチとしてのピンキリなのです。

これからきっともっと増えるよコーチング。

とは言え,googleでの検索でこれほどの数ヒットするということは,おそらくこれからももっとコーチング型学習塾は増えていくと思います。しかも相当数が,本当のコーチングではなくて,これまでの個別学習塾にプラスアルファのような要素として褒めて伸ばすとか,モチベーションを高めるといったような内容のものになるでしょう。

コーチングの本質がしっかりと理解されないことへ一抹の不安を覚えはしますが,しかしそれでも少しずつ認知されていくことは悪いことではないので,僕としてもこの状況を見守っていきたいと考えています。

コーチングが本当に浸透すれば,みんなが目標に向かって高いパフォーマンスを発揮し続けることができるようになるかもしれません。

それまでもう少しの間,ワクワクしつつ,普及に努めます。

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