「定期テストは悪くないんです。でも、実力テストになると点数が下がってしまって……」
この二つの結果を見て、どちらを信じたらいいのか迷うことはありませんか。僕は、入試に向けた今の学力を見るなら、実力テストの結果を重く見ます。
理由は、実力テストでは「習ったことが、どれだけ自分のものになっているか」が表れやすいからです。
時間がたっても、問題の形が変わっても、必要な知識を自分で取り出して使える。
僕が考える「本当の実力」は、そういう力です。
定期テストで取った点数を、次のテストが終わったら消えてしまうものにしない。そのために、二つのテストの違いを考えてみましょう。
いちばんの違いは、どこまで自分で判断するか
定期テストは、一般に学校で最近習った内容を中心に出題されます。「教科書のここからここまで」「この単元を復習する」と、準備の的を絞りやすいテストです。
実力テストにも出題範囲が示されることはあります。ただ、多くの場合は以前に習った内容まで広く含まれ、複数の単元が混ざります。違いは単に「範囲があるか、ないか」ではありません。
| 比べる点 | 定期テスト | 実力テスト |
|---|---|---|
| 出題の中心 | 最近の授業で扱った内容 | これまでに学んだ広い範囲 |
| 準備のしやすさ | 復習する教材や単元を絞りやすい | 過去の内容を含めた継続的な復習が必要 |
| 見えやすい力 | 最近の学習を理解し、準備する力 | 知識を保ち、必要な場面で選んで使う力 |
※出題範囲や問題の作り方は、学校・テストによって異なります。定期テストにも、考える力や初めての問題への対応を問う出題はあります。
実力テストでは、「この問題には何を使えばいい?」という判断から始まります。ここに、単元ごとの練習とは違う難しさがあるんです。
それぞれの役割を整理したい方は、定期テストと実力テストはどっちが大事?もあわせてどうぞ。
「この単元だとわかっているから解ける」を卒業する
たとえば英語。「過去形の練習」と書かれたページなら、過去形を使うことは最初からわかっています。教科書の本文を何度も読んでいれば、英文を一つずつ読み取らなくても、話の内容を思い出せることもあります。
では、初めて読む文章だったらどうでしょう。今の習慣の話なのか、昨日の出来事なのか、これからの予定なのか。主語や動詞、時間を表す言葉を手がかりに、自分で読み分けなければなりません。
数学でも同じです。「連立方程式の文章題」のページなら、連立方程式を使うつもりで読みます。でも、単元名のヒントがなかったら、何を文字で置き、どの数量の関係を式にするかを自分で決める必要があります。
公式を覚えた。解き方も一度習った。それでも、使う場面がわからないと手が止まる。「知っている」と「自分で使える」の間には、もう一段ある。実力テストは、その一段を越えられているかが見えやすいテストです。
実力テストが映すのは、テストのあとに残ったもの
テスト前に集中して勉強するのは大事です。期限に向けて計画を立て、やり切った経験も、ちゃんと力になります。
ただ、そこで勉強が止まると、「その日はできたけれど、今はできない」が増えてしまいます。前に取れた点数は、以前できたことの証拠にはなっても、今日も同じように使える証拠にはなりません。
数週間たっても説明できるか。別の問題の中でも気づけるか。解説や単元名の助けなしで、最後まで解けるか。
こうした条件で確かめられるからこそ、実力テストには、その時点で自分の中に残っている実力が表れます。入試のように、広い範囲の問題に向き合う準備ができているかを見るうえでも、重視したい結果です。
だから「定期テストでは取れているから大丈夫」と、実力テストで見つかったつまずきを後回しにしてほしくないんです。
定期テストの努力を、本当の実力に変える4つの動き
実力テスト対策は、難しい問題集を買うところから始めなくても大丈夫です。まず、すでに取り組んだ問題の使い方を変えてみましょう。
- 間違えた理由を、ひと言で書く。
「数学が苦手」で終わらせず、「割合を小数に直せなかった」「文章から式を作れなかった」まで具体的にします。 - 解説を閉じて、自分だけで解き直す。
読んで納得したことと、何も見ずにできることは別です。途中の考え方も説明してみましょう。 - 日をあけて、もう一度確かめる。
たとえば数日後、さらに翌週。できなくなっていたら、そこがもう一度練習したい場所です。 - できるようになった単元を、ほかの単元と混ぜる。
同じ型を続けて解くだけでなく、以前の内容を交ぜ、何を使う問題か判断するところから練習します。
「ワークを何周したか」に加えて、「時間をおいても、一人で解けたか」を勉強のチェック項目に入れてください。テスト前に頑張った分を、あとからも使える力に変えていきましょう。
低い点数は、限界ではなく現在地です
ここで一つ、大切なことがあります。「実力テストを重く見る」とは、その点数で子どもの能力や将来を決めつけることではありません。
問題の難しさ、時間配分、その日の体調などでも点数は動きます。定期テストとの点差だけで「実力が何点分足りない」と計算することもできません。平均点や過去の結果、そして答案の中身をあわせて見てください。
数字の読み取り方は、実力テストは何点取ればいい?中学生の点数の見方で詳しく整理しています。
保護者の方には、「前はできたのに、どうして?」の次に、ぜひ「今はどこで止まった?」と聞いてほしいと思います。取り出せなかった知識や、使えなかった考え方が見つかれば、次の勉強は具体的になります。
点数を見て落ち込むだけでは、もったいない。実力テストは、これから伸ばす場所を教えてくれる答案でもあるんです。
中2のうちから、「あとで使える勉強」を始めよう
中1・中2で習った英語や数学は、中3の学習にもつながります。学校の授業が進むのと並行して、以前の内容を少しずつ使い直しておけば、受験学年になってからの復習も進めやすくなります。
ミライデザインラボ安城本校では、2026年10月から中2向けの「愛知県立高校入試準備ゼミ」を開講します。英語・数学を週1回120分、教室での学習と家庭学習をつなぎ、実力テストと入試に向けて土台を整えていくゼミです。
「どこから復習すればいいかわからない」「答案を見ても原因がつかめない」という方は、無料の学習相談をご利用ください。学年にかかわらず、今困っていることから一緒に整理します。
定期テストで得た手応えを、その場かぎりにしない。実力テストで見えた課題を、見なかったことにしない。
テストが終わったあとも残り、必要なときに使える力。それを、これから一緒につくっていこう。